「私は潘氏と連絡を取るつもりだ。私の部下がすでに、潘氏のもとで働いていた何人かの人物と連絡を取っている。実際、私は潘氏の助言と知識がこの状況で役立つだろうと期待している」。
さらにグテーレス氏は、潘氏はその手腕を広く認められている人物であり、潘氏のいかなる提案も歓迎されるだろうと述べた。
「スプートニク」はロシアを代表する朝鮮半島情勢の専門家に、北朝鮮問題の解決にあたって、事務総長在任中にこれを実現できなかった潘氏が一体、現時点でどのような外交的努力を行えるのか、ということについて話を聞いた。
ロシア科学アカデミー極東研究所・朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ氏は「もちろん、試してみることは可能だが、国連事務総長としてこの問題を解決できなかったことを考えると、実際には何ができるか疑問だ。まさにこれが理由となって潘氏の北朝鮮での権威は高くない。そして韓国でも状況は同じようなものだ。潘氏が韓国大統領選挙への出馬を検討したものの、結局撤回したことがまだ記憶に残っているのだ。そのため今回のグテーレス氏の考えは、他に解決法がないことからやむを得ず考案されたものだと私には思える。それに、北朝鮮は朝鮮半島の問題はすべて自国と米国の間の問題だと考えている。そのため、危機解決に何の役割も果たさないと北朝鮮が考える韓国と何か対話することにはほとんど意味はない。結果として、朝鮮半島のミサイルと核兵器の問題を解決するには、北朝鮮だけではなく米国に対しても働きかける必要があるのだ」と語った。
グテーレス氏は、「今回国連安全保障理事会で採択された新たな制裁決議は、国際的な義務を履行することが不可欠だというシグナルを北朝鮮に送るものだ」と述べている。
北朝鮮に対する新たな制裁措置は、同国への石油輸出に重大な制限を課すことを定めている。
ロシアと中国はこの決議を支持し、米韓合同軍事演習を中止する代わりに北朝鮮の核ミサイルの実験中止を求めるという露中のイニシアチブに注意を傾けるよう国際社会に呼び掛けた。