米紙ニューヨーク・タイムズ:「ミサイル発射は安保理制裁への返答」
国連安全保障理事会の制裁措置に関し、「北朝鮮指導者は制裁を自国への脅威とみなし、核開発計画を加速する口実としているのか」という疑問が以前から呈されていた。今回のミサイル発射実験はその質問に対する答えとなったようだ。実験結果から、北朝鮮が強力な核兵器の完成へ更に一歩近づいたことが明らかになり、トランプ大統領の朝鮮半島地域政策は極めて困難になるだろう。大統領の周辺では、北朝鮮を予防攻撃する可能性も排除しないといった声も聞こえている。だがそのような強硬発言の一方で、予防攻撃によって紛争がエスカレートし、韓国人や米国人、日本人など数千万もの人々の命を危険に曝すことになると認めているのだ。
英紙インディペンデント:「韓国でも対応への準備が整った」
韓国の文在寅大統領は「我が国には北の隣国を滅ぼすだけの力がある。復興が不可能となるほど完膚無きまでに」と発言した。文氏は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との対話は不可能であり、同国には制裁と国際的圧力を以て対応する必要があると主張している。
米国のレックス・ティラーソン国務長官がロシアと中国に対し、北朝鮮に対する具体的な措置を取るよう要求した。しかし専門家は、中国政府が何らかの重大措置に踏み込むことは期待できないだろうと確信している。この1ヶ月間に国連安保理は、強力な措置を盛り込んだ2つの決議を採択。中国政府指導部では、新たな制裁を追加するよりも、これら2つの制裁を施行するまでに時間を置く必要があると考えている。
英経済紙ファイナンシャル・タイムズ:「米国防長官の核戦略拠点視察が北朝鮮を刺激 」
北朝鮮のミサイル発射実験は、ジェームズ・マティス国防長官が米軍の核戦略拠点であるマイノット空軍基地(ノースダコタ州)を視察したことを受けて実施されたものだ。北朝鮮にとっては、この視察で米国の軍事力を見せつけられた形となった。
米紙ワシントン・ポスト:「米軍内で異なる評価」
米軍では、今回の北朝鮮ミサイルに関する評価が一貫しておらず、全員がこれを危惧しているわけではない。例えば、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、弾道ミサイルは米国にとっての脅威とはならないとの見方を発表している。
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