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11日の判決で、東京地方裁判所立川支部の瀬戸口壮夫裁判長は「軍用機の運航には公共性があるものの、原告に特別の犠牲を強いるのは不公平だ。賠償を命じる判決が繰り返されてきたのに(住宅防音工事の助成など)国の対策は、限定的な効果しかない」と指摘し、国に対し6億1000万円余りを支払うよう命じた。
軍用機の騒音問題に関しては、横田基地のほか、厚木(神奈川県)、小松(石川県)、岩国(山口県)、嘉手納(沖縄県)、普天間(同)の各基地でも周辺住民が集団訴訟を続けている。
だが最高裁は昨年の厚木基地訴訟の判決で、米軍機の飛行差し止めは国内で審理できず、将来分の騒音被害も賠償請求できないという判断を示した。
今回の横田訴訟でもこの判断に基づき、東京地裁支部は米軍機の運航は国が規制・制限できる立場にないと指摘し、自衛隊機については、民事訴訟による訴え自体が不適法と退けた。また将来分の賠償も、被害が具体的に成立した時点で検討すべきとした。
判決について、弁護団の関島保雄団長は「一定の賠償は認められた」としながらも、夜間の飛行差し止めといった「根本的な請求は認められず不満だ」として、控訴を検討する考えを明らかにした。