スプートニク日本
地球に最も近く最も安定して周回する準惑星である小惑星2016 HO3は、昨年4月末に米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の著名な天文学者ポール・チョーダス氏によって発見された。2016 HO3は少なくとも100年間は地球を周回している小さな天体。
先に天文学者らは一時的に「地球の衛星」となった同様の小惑星4個を確認したが、これらの小惑星が地球と「共にいた」のは数十年未満という短い期間だった。
2016 HO3がさらに数百万年は地球と共に旅をするということは大きなセンセーションを巻き起こした。
地球の「第2の月」を調査する際の主な問題は、当初学者らが、2016 HO3は小さな小惑星なのか、それともロケットの加速ブロックの破片なのか、あるいは「宇宙ごみ」の一部なのかを理解できなかったことにあった。2016 HO3の正体を特定することに成功したのは、米ツーソン市にあるアリゾナ大学の学者たち。学者たちは望遠鏡を使って2016 HO3による太陽反射の性質について詳細な研究を行った。学者たちはある一つの単純な法則に基づいて観測を行った。それは宇宙船やロケットの金属版の光波の反射は、主にケイ素質の岩石でできた小惑星の物質とは全く異なるというものだった。
地球の「第2の月」は、光や熱放射をうまく反射しないことがわかった。これは2016 HO3が「宇宙ごみ」ではなく小惑星であると自信を持って述べることを可能とする。また学者たちは小惑星の大きさを特定することにも成功した。直径は36メートル未満で、ロシアのチェリャービンスクに落下した隕石とほぼ同じ大きさであることがわかった。
なお学者たちは地球の「第2の月」について、小惑星の捕獲に関する未来のミッション手段をテストする上で最も魅力的な天体の一つだと考えている。2016 HO3は地球からわずか1200万キロしか離れておらず、今後10年以内にもロボット化された宇宙船あるいは有人宇宙船を使って2016 HO3に簡単に到達できるようになる見込みだ。
関連記事