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法政大学教授・下斗米伸夫氏は、「今回の選挙は、安倍政治の信任選挙という性格が大きかったことを考えますと,安倍政権がめざしてきたロシアとの関係改善と平和条約にむけた路線は、変わらないと思います。むしろ,立憲民主党(カデット!)のような,どちらかといえば親米よりは中立に軸足をおいた野党が出てきた分、また彼らが反原発に軸足を移す分、ロシアとのエネルギーを含めた関係改善にやや軸足が動くのではないかと思います。彼らが内政的には北海道や東北で強いことも、ロシア極東との経済関係改善といった傾向をたかめるかもしれません。」と指摘する。
もう1人のロシア専門家である上智大学外国語学部・上野俊彦教授はスプートニクのインタビューを受けて、次の見方を示した。
「衆議院議員総選挙の結果、政府与党の議席数に大きな変化はなく、安倍晋三総理大臣が引き続き総理大臣を継続することが明らかとなったため、日露関係には、今回の選挙結果が大きな影響を与えることはなく、これまでの日露関係が継続されることになるであろう。
他方で、安倍晋三首相は、今回の選挙戦において、北朝鮮の弾道ミサイルや核実験などの問題を理由に「国難」という言葉を用い、日本の外交・安全保障にとって最も重要な問題として北朝鮮問題を取り上げており、選挙後もこの問題の解決が外交・安全保障上の最重要課題となると考えられることから、ロシアが北朝鮮に対する制裁に引き続き協力し、ロシアが北朝鮮に対して弾道ミサイルおよび核兵器の開発を中止するよう働きかけることを強く期待するものと考えられる。」
衆院選の全465議席が確定した。自民党は284議席を獲得。連立を組む公明党は29議席。立憲民主党は55議席で野党第1党となった。希望の党は50議席、共産党が12議席、日本維新の会は11議席を得て、社民党は2議席となった。無所属からは22人が当選した。
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