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同紙によると、国防省の報告書「2016年度海洋活動分野におけるロシア連邦の国家安全保障状態の包括的評価について」の「軍事的」部分は、「米国やその同盟国が行う、(ロシアの)地政学的影響力を制限する方針」や、国際テロリズムの規模拡大、海賊行為、不法移民を主な不安定要因にカテゴライズした。国益への脅威として言及されたのは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国との「潜在的に可能性がある軍事衝突」や、アゾフ海・黒海地域の複雑な情勢、北極評議会の参加国や非北極圏諸国すら地域での軍事的影響力拡大を目指し争っていること、日本によるクリル諸島の領有権主張だった。
ここから、日本の海上自衛隊の能力拡大や、オホーツク海におけるロシアの抑止力を脅かしかねない海上発射型MDシステムの導入もまた、ロシア軍の警戒網に入っている。
コメルサント紙によると、9月末、ロゴジン副首相率いるロシア連邦政府海洋協議会のメンバーにレビューのため文書が配布された。このあと文書はおそらく、協議会員が何かを追加した後、プーチン大統領に送られる。一方、国防省はコメントを控えたという。
今年2月、ロシアのショイグ国防相はクリル諸島への師団配備を発表。発表によると、「今年中」に配備作業は完了する方針だ。2016年12月には、クリル諸島のイトゥルプ(択捉島)、クナシル(国後島)両島への沿岸用ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」の配備が発表された。同年に地対空ミサイル「トールM2U」も配備された。
ロシア外務省のザハロワ報道官はクリル諸島へのミサイル複合体の配備に次のようにコメントした。
「ロシアでは防衛上の措置で計画通り措置が進められている。目的は国家安全保障の一貫した強化で、まさにこのラインで戦闘ミサイル複合体が南クリルに配備された。」