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バングラデシュ外務省によるとロヒンギャ民族の帰還は2ヶ月以内に始まるとされている。ただし具体的な日程や期限などの詳細は明らかにされておらず、手続き方法などについて今後も協議が続くとみられる。
両政府によると、1990年代前半の2国間合意で定めた原則に基づき、ロヒンギャ難民の身元確認と帰還を体系的に進める。帰還のための両政府合同の作業グループは3週間以内に設けることでも合意した。
バングラデシュのメディアは同国外務省関係者らの話を引用し、バングラデシュ側が1年以内の帰還を求めたのに対し、ミャンマー側は完了目標の設定に難色を示したと伝えている。
ミャンマーでは今年8月にロヒンギャの武装集団と治安当局が衝突後、ロヒンギャへの迫害が疑われており、現在60万人以上がバングラデシュに避難している。
ラカイン州でのイスラム教徒のロヒンギャと仏教徒との民族・宗教紛争は100年以上続いているが、緊張が特に高まったのは、2011年にミャンマーが軍事政権から民主化に舵を切った後の数年だ。2012年に大規模な衝突が起き、7万5000人のロヒンギャがバングラデシュやミャンマー政府による難民キャンプで避難する憂き目を見た。
2016年10月にはロヒンギャの一部武装勢力がミャンマーの国境警備隊施設を襲撃、9人の警備隊が死亡した。これを受けて、ミャンマー軍がラカイン州を武装勢力から「清掃」する大規模作戦を開始し、現在にいたるまで続いている。