ロシアで禁止、日本で観察処分 宗教団体は脅威か?

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日本の各報道社は20日、公安調査庁がオウム真理教への観察処分の更新を公安審査委員会に請求したと報じた。対象には、現在も観察処分が適用中の、オウム真理教の後継団体とされる「アレフ」と07年に分派した「ひかりの輪」に、アレフから分派した「山田らの集団」が加えられる。

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ひかりの輪は元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚への絶対的帰依を否定している。また、山田らの集団は松本死刑囚の次男のアレフ復帰に反対して分派。しかし、同庁は山田らの集団が松本死刑囚への信仰を前面に出していると主張したうえ、いずれの3団体ともオウムの教義を広め、実現するという教義を持っており、危険だと訴えた。

公安調査庁 - Sputnik 日本
オウム真理教関連3団体の観察期限が更新請求
オウム真理教は27人が死亡、負傷者が6000人を超えた地下鉄サリン事件により世界中に知られるようになった。軍用ヘリコプターを使い東京上空からサリンを散布するテロも企てていたと見られる。ヘリはロシアで調達された。ある幹部が1992年から1995年にかけてロシアを21度訪れた。その人物は設計事務所、軍、軍事工場と関係を結び、カザンで軍用ヘリコプター「Mi-17」を調達し、オランダ経由で日本に持ち込んだ。しかし飛行許可が降りず、実際に飛行することはなかった。

ヘリ調達にロシアが選ばれたのは偶然ではない。ソ連崩壊後の90年代、ロシアはオウム真理教の根城の1つとなった。ロシア人信者はおよそ5万人いて、日本での信者数より多かった。そのため、オウム真理教は90年代からロシアの特殊部隊にマークされており、2016年には動きの活発化が確認され、ダーイシュ(イスラム国、IS)との繋がりが疑われ、ロシア国内での活動が禁止された。

オウム真理教との繋がりが疑われた別のロシアの組織にも厳しい措置が取られた。2016年夏、「ライヤ・ヨガ」という組織がロシア・ニジェゴロド州に建設した修道院「ディビヤ・ロカ」が、裁判所の判決によりブルドーザーで撤去された。裁判所は、丸屋根を持つ6面体の建物3つからなるカルト教団の施設が違法に建設されたと判断。「ライヤ・ヨガ」の関係者はこの判決を認めなかったが、撤去直前に修道院を後にする。まもなく、ロシアを離れネパールで土地を買うと発表を出し、寄付金を募った。ロシアからの逃亡は、ロシア内務省が当時すでに、同団体を社会にとって破壊的な脅威をもたらすカルトだと見なし、刑事事件を立件していたためだ。

ロシアで厳しい措置が取られるのはテロリズムや過激派との関係が疑われる団体だけでないことは特筆すべきだ。はるかに無害な評判とともに世界的に有名な宗教団体「エホバの証人」も2017年、過激派と認定されロシアでの活動が禁止された。

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とはいえ、宗教団体の活動禁止はこれで終わらないだろう。ロシアでは近年、宗教団体への措置が厳しくなる傾向がある。ロシア司法省は2017年、過激派的活動が許されないという警告を数十の団体に通知した。同省は、違反が改善されない場合、解散とロシア国内での活動禁止措置が取られると発表した。

一方、日本では団体規制法に基づいた観察処分に留まっている。ロシアはより厳しい措置を取り、過激派との関連性がわずかでも見られた団体を全て禁止する方向に舵を切っている。

しかし、日本がカルト教団に対して柔らかなアプローチでとどめているとは言えない。公安調査庁や警視庁にマークされた団体は、法の枠外に出た瞬間に逮捕される。

ライフスペースの設立者、高橋弘二は、信者に高齢の父親を病院から連れ出し、自身の主張する「より効果的な治療法」を行い死亡させたことで、懲役7年を受けた。

また、スカラー電磁波の有害さを主張する団体「パナウェーブ研究所」は、2000年代初頭に関心がピークを迎えた。団体は、スカラー電磁波が病気や自然環境破壊、人類の滅亡に至る全ての悪の元凶だとの持論を展開。団体はスカラー電磁波の少ない場所を探して日本中を移動した。こうした行動や白ずくめの衣装は、地下鉄サリン事件の記憶がまだ生々しかった時代、日本を怯えさせた。公安調査庁や警視庁が施設の家宅捜索に踏み切り、頭の先からつま先まで調査した。しかし、教団の危険性は少ないと判断され、世界の終わりの予測を数度外したあと、パナウェーブ研究所は急速に忘れられていった。

露日どちらのアプローチが効果的かは時が示すだろう。エホバの証人の活動禁止をはじめとする一部のロシアの措置は国際社会に非常に冷たく受け止められた。EUは決定を和らげるよう求めたが、ロシア国内では大半の市民が禁止措置を支持した。

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