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伊ボローニャ大学の学者アンドレア・カウ氏は「この恐竜はその近縁種よりも水鳥や爬虫類に似ている。シンクロトロン放射源を使い、二足歩行の肉食恐竜が走ったり飛ぶだけでなく、水中に潜ったり泳ぐことができたこともわかった!」と科学誌ネイチャーに語った。
© 写真 : Lukas Panzarin and Andrea Cau for scientific supervision白鳥のような姿をした恐竜(画家のイメージ)
白鳥のような姿をした恐竜(画家のイメージ)
© 写真 : Lukas Panzarin and Andrea Cau for scientific supervision
小型の肉食 恐竜「ベロキラプトル」の近縁種はその昔、ゴビ砂漠の境のモンゴル南部で所謂「ブラック古生物学たち」によって発見された。約2年前に最後の所有者のアマチュア古生物学者フランソワ・エスクワイル氏が、この化石をモンゴルに返還し、専門の古生物学者らに分類を依頼した。
古生物学者らは粒子加速器を使って化石を照射し、恐竜の化石の3次元モデルを得た。
そしてモンゴル南部ウハートルゴドで発見されたのは、非常に風変わりな姿、食習慣、ライフスタイルを持つかなり大きな恐竜の化石であることがわかった。学者たちはこの恐竜を「ハルシュカラプトル・エスクイリエイ(Halszkaraptor escuilliei)と名付けた。
この恐竜はその近縁種よりも、小型のアヒルや白鳥に似ていた。白鳥のような長い首を持ち、羽で覆われ、くちばしがあり、数十本の鋭い歯が生えていた。
またこの「アヒルのような恐竜」のくちばしと上あごには、かつて多くの神経終末で満たされていた数多くの穴があるのも特徴だ。
ワニの顔と複数の水鳥のくちばしもこれと同様の構造を持っており、これはモンゴルで発見された恐竜は水に潜ることができ、水中あるいは湖や川の底で獲物を捕っていたことを物語っている。
またこの恐竜の重心は、ペンギンのような未発達状態の「羽」を使って水中を素早く泳ぎ、陸上では足を使って上手く走れるように置かれていた。
学者たちは今回の発見について、恐竜はこれまで学者たちが考えていたように陸を支配していただけではなく、空気や水を含むすべての生態学的ニッチを獲得していたことを物語っていると指摘している。
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