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実験には55歳から75歳の37人が参加し、3グループに分かれた。第1グループは半年にわたり週五日、30分ずつスーパーマリオ64をプレーし、第2グループは同様のペースでピアノを学んだ。第3グループは何の課題も課されなかった。
実験前後に参加者はMRI検査と認知能力テストを受けた。明らかになったところ、スーパーマリオ64をプレーしたグループには海馬と小脳での灰白質の増加と、短期記憶能力の向上が見られた。さらに認知能力への影響は、ピアノ演奏グループを上回った。
ピアノ演奏グループでは海馬での灰白質の増加は見られなかったが、小脳と計画や決断、意志の制御を支配する前頭前皮質腹外側部での増加は確認した。第3グループには大きな変化はなかった。
論文の著者グレゴリー・ウェスト氏によると、海馬は3Dゲームが行われる仮想環境の認知地図を作るため働く。この結果、海馬の機能的な活動と灰白質の量が上昇する。
ワシントン大学の精神分析学者は以前、ゲームを用いて高齢者の認知障害を伴う、うつ状態を治すことが可能だとの結論に至った。彼らは、ゲーム療法の効果が実証されれば、アメリカ食品医薬品局(FDA)が将来的に医薬品としてゲームを登録することを認めると期待を寄せる。
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