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会合では特に、両国外務省が承認した5つの有望分野である海産物の養殖、風力発電、温室野菜の栽培、ゴミの減量対策、観光ツアーについて話し合われた。吉田公使は、養殖や栽培の対象品や場所、産出量、実行可能性調査、輸送や人材確保の綿密な検討など、それぞれの事業に独自性があると説明する。吉田氏は「スプートニク」の質問に以下のように答えた。
北海道をはじめとする企業関係者も加わった官民調査団は今年、北方領土を2度訪問した。調査団のメンバーは、採算性のある事業実施の可能性を認めている。だが、新たな調査も必要になるだろう。
2018年1月から2月の期間で、両国の外務次官級協議が再び行われる。協議では、南クリルの共同開発の法的基盤という最も複雑な交渉事項も扱われる予定。この法的基盤こそが、最大の相違点だ。ロシア政府がロシア法に従うべきと考える一方、日本政府は同地域内で「特別な法制度」を創設することを提案している。この問題での妥協点は、今のところ見出されていない。
両国間では共同経済活動の他にも人道交流の拡大が重要なテーマになっていると吉田氏は話す。ビザ(査証)なし交流参加者を北海道とサハリンにも拡大していくことで話がまとまる可能性もある。
12月15日、ロシア上院で演説したラブロフ外相は、日本と無査証制度で合意する用意がロシア側にはあると表明。また、両国民に福利をもたらす事業の実現が政府間協力の目的であると述べた。このため露日共に、共同経済活動を平和条約締結に向けた第一歩と捉えている。