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ロシアの学者たちは、生物学、医学、化学、物理学などのさまざまな分野と接点を持ちながら活動していたため、液体呼吸に成功した。ロシア科学アカデミー理論・ 実験生物物理学研究所のエヴゲーニー・マエフスキー教授が伝えた。
呼吸用液体の外観は水と似ているが、水よりもはるかに密度が高い。液体の中のすべての水素原子はフッ素原子に置き換えられており、そこでは水中の20倍の酸素を溶解することができるという。
ロシアでは10年以上前から人間の液体呼吸が医療目的のために使用されているが、それは常に麻酔下で、すなわち強制的に行われている。学者たちの課題は、意識的かつ自由な液体呼吸を人間に教えることだ。動物を使った液体呼吸の実験を数多く行ってきたマエフスキー教授は、実験の99.99%が成功理に終わっていることを誇りに思っている。
教授は、呼吸用液体の濃度が適切に選択されれば、人間の呼吸筋の働きを困難にすることはなく、肺の損傷を引き起こすことはないと考えている。なおマエフスキー教授は、呼吸用液体について、ダイバーが水深の深い場所から浮上した時や、宇宙飛行士たちに大きな負荷がかかる状態など、生命に適さない環境から人々を救う必要のある緊急時に使用すべきだとの見方を示している。人間の肺に酸素を含む液体が入っている場合、その液体の密度は空気さらには水の密度を大きく上回っているため、肺は圧縮されることなく、正常に機能することができるからだ。将来的に、酸素が溶解した液体が入った宇宙服がつくられる見込み。