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2015年12月28日に結んだ日韓合意で、日本は元慰安婦を支援する財団に10億円を拠出することを約束。安倍首相は当時、日本国の総理大臣として謝罪した。朴槿恵前大統領は自国の最も過激な活動家の活動を抑えることを約束した。教科書問題にも話はおよび、教科書での記述を中立的にすることが決められた。決定は「最終かつ不可逆的」となるはずだった。
日本はこの問題に対する立場を変えておらず、菅義偉官房長官は「韓国側がさらなる措置を求めることは全く受け入れられない。合意の着実な実行が両国に求められている」と述べた。謝罪について日本は、全戦争被害国に戦争中の行いを一度ならず謝罪したことは事実だという立場を取っている。
キスタノフ氏は、韓国が日本に自らを鞭打ち、元慰安婦に対する罪を認めるよう要求し続ける理由の1つには政治的圧力を加えるという隠された試みがある可能性があるという見方を示し、次のように述べた。
韓国はなんのためにこの問題を再び提起したのか?これらの女性らに関する憂慮によるものだという可能性は十分にある。存命しているのはわずか数十人で、年齢は90歳に近い。彼女らには注目以外にそれほど多くのものを必要としない。だが、これは日本への圧力の手段かもしれない。例えば、日本が12月末に打診した、4月開催予定の日中韓首脳会談を前にしてだ。提案には今のところ韓国だけが反応。韓国は会談の準備すら申し出た。だが、総じて言えば、韓国では反日的気運が強い。2国間の緊密な経済的結びつきや、日韓が同地域における最も近くに位置する米国の同盟国であることすら、日韓関係を円滑にしない。私の見解では、これらの問題の根幹は韓国の(編集部注:1910年〜1945年)植民地支配期にまでさかのぼる。この厳しい歴史的過去は、現在でさえ『風化』していない。
文政権が慰安婦問題に特別な意義を与えていることは、昨年7月に承認された国家5カ年計画が慰安婦博物館の建設と記念日の制定を提案しているという事実を物語っている。しかしキスタノフ氏は、日韓関係の対立はこの問題に限らないと述べる。
竹島(独島)の領有権問題というはるかに深刻な問題が存在する。領有権を主張する各国が同島を固有の領土だと主張している。そして、慰安婦問題のアクチュアリティはこの世代が去ると共に弱まる可能性があるのに対し、領土問題は長い間、2国関係を害していくだろう。