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米国防総省は2つの新型の核兵器の開発理由をロシアと中国に遅れをとらないためと指摘している。米核ドクトリンの素案には、ロシアと中国は核兵器の縮小を行っている米国とは逆に、核ポテンシャルを増大させているとの指摘が記述されており、これを根拠に新型核兵器の開発は必要不可欠と結論付けられている。
プロジェクトでは特にオハイオ級原子力潜水艦で使用できる低出力核弾頭「トライデント」の製造が提案されている他、低出力の潜水艦発射弾道ミサイルの開発が計画されている。
開発の根拠には、核ポテンシャルの柔軟性の拡大も使われている。米国防総省は自国の保有する核兵器は実際の使用には「あまりに大きく、高出力」であり、このことをロシアと全世界は認識しているととらえている。ペンタゴンの理論では、低出力の核弾頭があれば、米国が核兵器を実際に使用する可能性が高まったことを他の諸国も認識せざるをえない。
一方でこの核ドクトリンは全方面の賛同を得ているわけではない。オバマ政権の元大統領顧問・軍備コントロール担当のジョン・ウルフスター氏は同プロジェクトを分裂症的なものと真っ向から非難し、これは米国防総省に「核使用の可能性をより多く与え、その誘惑を高める」ものであり、これによって核兵器使用を決断する敷居が下げられてしまうと懸念を表した。
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