「日本では、同国政府が促進するロシアでの経済プロジェクトが政治的課題の解決に貢献しなければならないという立場が圧倒的に多い。両国の違いは特にクリルでの共同経済活動へのアプローチにおいて明らかだ。日本は領土主権を主張するための更なる根拠を得るために『北方領土』における自国の経済的プレゼンスの強化を目指している。だがロシアにとっては、同地域に投資を呼び込むことのほうが重要だ。なお、それは必ずしも日本の投資でなければならないというものではない。
また今年2018年は『ロシアにおける日本年』と『日本におけるロシア年』が開催され、両国の文化を普及し、イメージを改善するためのイベントが数多く予定されている。日本で2017年10月に行われた衆院選の結果による安倍政権の継続と、2018年3月のロシア大統領選挙で予想されるプーチン大統領の勝利は、両首脳の努力によってつくられた両国関係のその政治路線の維持を可能とするだろう」。
「ハイテク製品市場でのリーダーという役割を失いつつある日本は、今、インフラ事業への参入という自国の新たな地位を他の国に提案している。そしてこれはロシアと日本の経済協力に幅広い展望を開いている。ロシアにおけるインフラ施設の建設と近代化のニーズは膨大だ。そして同分野には両国政府の支援を受けた日本企業の参加事例がすでに存在する。
例えば、ロシアのロスコスモスと日本のJАХАが国際協力の形で参加予定の火星探査プロジェクトなどだ。また露日の経済関係で比較的新しい話題は、農業分野かもしれない。日本へ輸出するためのものも含め、日本の技術と資本を用いてロシアで大豆、野菜、果物を栽培するためにアムール州の土地を貸し出す可能性について話し合われている。このような協力の形態が貿易や投資指標の数値を著しく上昇させることはないかもしれないが、これらはインフラ整備、各国の貿易関係の多角化、科学技術ポテンシャルの利用に貢献することができる」。
安倍首相は、5月に開かれるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムと、9月にウラジオストクで開催される第4回東方経済フォーラムに招待されている。
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