スプートニク日本
街の未開発地域の活性化案には、かつてこの建物の地下室で拷問を受けた親戚をもつ多くの地域住民からの反発も多い。彼らは、「追悼記念の代わりに商売?決してない」のスローガンを掲げて計画に反対する。
市参議会は2009年、この建物を民間投資家に売却したが、その際、ナチス犠牲者の追悼記念施設に十分な場所を確保することを条件とした。契約ではその範囲を530平方メートルと決めたが、追悼敷地内に本屋とカフェが入居することが明らかとなった。
ナチス体制迫害被害者協会代表のコーネリア・クルト氏は、かつてハンブルグに住んでいたユダヤ人迫害の中心地でコーヒーを飲むのは場違いだと批判する。
クルト氏は、「記憶が消費に埋もれてしまうことは許されない。記憶は消費を打ち砕かなければならない」と述べた。
ハンブルグ当局は、地域住民の反応に驚きを示した。カフェや本屋によって追悼記念施設へ人々が足を運びやすくなるという構想だった。また、計画には旧ノイエンガンメ強制収容所記念館の関係者の協力も受けていた。
関連ニュース