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江崎氏は2017年8月3日の内閣改造で入閣した。この短い在任期間中に江崎氏は2つのスキャンダルの中心人物となり、釈明、謝罪した。
まず就任直後に地元の愛知県一宮市で記者団に、北方領土問題については素人であるため、国会では「答弁書を朗読させていただく」と述べ、野党から激しく批判された。だが実際のところ、これは根拠のない批判だった。江崎氏は就任したばかりで同分野や同省について詳細を知る時間がなかった。また江崎氏は発言について、内輪の会でのことだったと指摘した。同氏は、菅官房長官から電話で注意されたことを明らかにした。なお菅氏は江崎氏の交代については「まったく考えていない」と述べた。
だがこの最初のスキャンダルが収まる前に次のスキャンダルが起こった。同じく2017年8月、江崎氏は日本における米軍の地位について定めた日米地位協定の見直しに言及した。江崎氏は、日米地位協定を「もう少し見直さないといけない」と発言し、「沖縄県民の気持ちを政府がしっかり受け止め、米国に言うべきことを言い、時間をかけてでも話し合うべき」と述べた。これはオーストラリア沖で起きた米軍輸送機オスプレイの墜落事故に関する発言だった。同事故を受けて日本政府は米国に日本国内でのオスプレイの飛行停止を申し入れた。江崎氏は大勢の沖縄県民の民意を代弁したにすぎなかったが、政府で質問攻めにされ、米軍の地位見直しなどの敏感な問題に触れるのではなく、沖縄の経済振興に取り組むべきだと指摘された。
新たな沖縄・北方相も何らかの不用意な発言をするのだろうか?それとも自身の政策において新たな歩みを進めるのだろうか?それは時が経てばわかるだろう。
なお福井沖縄・北方相は就任記者会見で南クリル(北方四島)のシコタン島の名前を言い間違えてしまった。野党は釈明と謝罪を求めた。そして再び菅官房長官が登場し、福井氏は沖縄問題の専門家であり、新たな活動分野の全側面をまだ習得していないとして擁護した。
あらゆる面から判断すると、沖縄・北方相はこれらの地域に関する政策を決定する全権を有していないようだ。
日本で「北方領土」と呼ばれている南クリル諸島に関しては、露日関係の発展及びクリルでの共同経済活動計画を考慮すると、別の大臣が重要な役割を果たすことができる。その人物とは、世耕弘成産業相だ。世耕氏は2016年9月、新たに設けられたロシア経済分野協力担当相に就任した。