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例えば、ノルウェーで発行部数最大の新聞である高級紙「アフテンポステン」は、「プーチン大統領、最後の審判の日の新兵器を発表」と題した記事を載せ、英大衆紙「サン」のスコットランド地方紙「スコティッシュ・サン」は「核のボタンに乗せた指」との見出しで注意を引いた。また、フランスの週刊誌「パリ・マッチ」は社説に「プーチン大統領、新兵器を誇示」との見出しをつけている。米紙「ワシントン・ポスト」は、米トランプ政権によって最近発表された新型核兵器の開発計画を理由に、プーチン大統領の演説を「米政府のための発表」とみなしている。一部のメディアが、ロシア側のレトリックが厳しくなった主な引き金として、まさに米国の新たな核計画を検討しているのは偶然ではない。
米政府は2月初め、新たな核戦略を承認している。この文書は実際、ロシアで大きな反響を呼んだ。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が、これが理由で「プーチン大統領による脅威が米国にとって、恐らくサプライズにはならなかっただろう」と書いているのは偶然ではない。
だが現実には、このことに切迫した必要性を米国が迅速に認識することは恐らくないだろうと、ミルザヤン准教授は予想する。「プーチン大統領はある種の新たな現実を描き出した。この新たな現実に対する反応について、心理学者らはいくつかの段階に区別している。一つ目の段階は、常に怒りと拒否反応を起こし、新たな現実を客観的現実として受け入れることを拒否するというものだ。まさにこの段階を、今我々は外国メディアの中に見ている。しかし、ロシアはこれを、対抗してヒステリーを起こすことなく静かに耐え抜き、アナリストらを冷静にさせる必要がある。そしてその後は確実に、この新たな世界で今後どのように生きるかという、より責任能力のある分析が現れる。とは言うものの、もちろん、米国においてここまで到達するのは速くはないだろうが。なぜなら、現在の米国の政策は、ロシアの脅威とロシアとの新冷戦という神話に文字通りはまり込んでいるからだ」。
ロシアのペスコフ大統領報道官が述べたところによると、ロシアの新たな兵器は、ロシアを攻撃するという目的を抱いていない者に対しては脅威にならないという。