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安倍首相がプーチン大統領に「8項目の協力プラン」を提案してからちょうど2年が過ぎた。この2年間でジェトロに寄せられたロシア進出の相談は、約2100件にものぼった。同期間に寄せられたドイツ進出に関する相談が約1800件だったことを考慮すれば、非常に多くの企業がロシアビジネスに新しく関心を持ったことがわかる。
また、8項目の協力プラン提案後にジェトロが開催したロシア進出に関するセミナーは20回にものぼり、中小企業を中心に1500名以上が参加した。ロシアセミナーでこれほどの希望者が集まるのは、かつてなかったことだ。
石毛氏「これだけ日本の中小企業が積極的にロシアに関心を持つのは初めてのことで、喜ばしいのですが、まだまだ、ロシアについてはよく知られていません。より多くの日系企業が進出するためには、もっとロシアを知り、ロシアを訪れ、ロシアのビジネスマンと会うという3つの要素が不可欠です。日本の中小企業は約380万社あり、優れた技術をもっている会社はたくさんありますが、海外でビジネスをすることにためらいがある。こういった心理的障壁を取り除くのも私たちの役割です。ジェトロはそのための機会を提供します。」
しかし、問題点もある。現在、世界の貿易環境は大きく変化しており、米中間の貿易摩擦、米国の貿易制限など、マクロの経済環境に悪影響を及ぼす要因が存在している。世界経済全体が停滞すると、企業もリスクを避け、ひいては対露貿易にもマイナスに作用するのではないかと懸念されている。
更に、ロシアに特有の課題もある。石毛氏は、ロシアビジネスの問題点を解決するには、ロシアの企業や地方政府が競争概念をもつことが不可欠だと指摘する。
ジェトロは、日系企業のパートナー探しの一環として、ロシアを含む様々な国を対象にビジネスマッチングを行っている。しかしロシア側はビジネスマッチングに取り組み始めてまだ日が浅く、どのような企業が何を得意とし、どういうパートナーを探しているのかといった情報収集・提供が十分ではない。石毛氏は、マッチングをより促進するために、数字だけにとどまらない具体的な情報を収集・提供する体制を整えてくれるようロシア側に呼びかけた。