スプートニク日本
科学誌「Science」に掲載された論文では、豊渓里の核実験場での核実験により、万塔山が事実上崩落したとしている。万塔山地下には24日に爆破された坑道がある。以前は北朝鮮の核爆発を、国外からの地震波計測により分析していたが、今回は3次元画像が用いられた。画像には山の変位と大規模な地盤沈下が写っていた。
新たなデータは正恩氏の平和的提案を違った目で見ることを余儀なくすると、ウォールストリートジャーナルは伝える。同紙は、豊渓里の実験場が使用不可能になったとの見方を示した。
しかし独立した専門家のドミトリー・ヴェルホトゥロフ氏は、実験場はまだ使える状態にあると見る。
「一見すると、北朝鮮の核実験場は長期間もしくは永久に使用不可能になったとさえ思われる。しかし現場で撮影された写真を分析すると、実験場のインフラは、核実験が再開できないほど大きい損傷をしていないと考えられる。豊渓里の実験場は、万塔山の奥深くに掘られた4つの坑道からなる。うち北側と東側の2つの坑道では、核実験が行われていた。西側と南側の坑道では核実験は一度も起きていない。北側坑道の写真からは、爆破のルールに則って、爆薬がお互いから2〜3メートルの距離で設置されるよう壁に5つの隙間が作られていることがわかる。また天井に設置された爆薬も見える。つまり、北側坑道の入り口は完全に廃棄されたとかなり自信を持って言うことができる。一方で西側坑道では、爆発準備が行われたのは入り口から10メートルほどの、坑道の端だけだった。爆発により入り口の木製構造は破壊され、脆い土の落盤が起きた。しかし山中奥深くにある坑道の残りの全区間は損傷せずに残っている。北朝鮮の軍事建設部門はわずか数日で西側坑道の入り口にある土砂を撤去できる。未完成の西側坑道と南側坑道は、見た目上の効果を引き起こす一方ですぐに復旧できる可能性を残すよう爆破されたと見ることができる。坑道の建設には多くの時間とマンパワーが費やされ、これらの坑道では核爆発がまだ行われていない。」
米朝首脳会談では北朝鮮の完全な核兵器放棄に向けた条件が話し合われると見られる。トランプ氏は核実験停止に関する北朝鮮からの発表を歓迎する一方で、会談の成功はまだわからないと強調した。
関連ニュース