スプートニク日本
4年後には18歳の日本市民が保護者の同意なしに結婚し、クレジットカードを作り、消費者金融から借り入れをするだけでなく、10年間有効のパスポートを作ることができる。さらに、性別変更を裁判所に申し立てることができる。一方で一部のタブーは保たれ、20歳まで飲酒喫煙、公営ギャンブルは禁止される。
引き下げに反対する案は以下の通り。
18歳で大人というけど酒もタバコもギャンブルもできないということか。それならお前は真の大人ではないということだ。全く馬鹿げている。
生まれてから教えられてきたことは自分をコントロールするための段取りだったんだと気づくのは恐らく29歳ごろだ。18で大人になるなんて幻想。
中学卒業から3、4年しか経たない人が大人とみられても大丈夫?
男の成人年齢?40歳くらいだな。
選挙権年齢が引き下げられた時も、まだ政治のことがわかっていない人が多かった。
永遠に大人になれない人もいる。
引き下げへの賛成案は以下の通り。
周りの国に合わせるべきだから,
18歳の段階でも就職して、自分で稼いで生活している人も一定数いる」
お酒に関しては今でもちゃんと規制されていないよね。大学のパーティではIDの確認もなく18歳で飲んでる。
日本で成人年齢の引き下げが可決。18歳は融資を受け、親の同意なしに婚姻でき、司法に訴えることが可能となる。この法改正をどう思われますか?#成人年齢 #成人式 #改正民法
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) 13 июня 2018 г.
結婚のテーマがほとんど議論されていないのは興味深い。合法的な結婚年齢が両性同じになったことには意味がある。今までは結婚可能年齢が男性18歳、女性16歳だったが、ここに合理的な理由は一切なく、16、17歳で両親の同意のもと結婚する女性は極めて少なかった。
スプートニクのインタビューに対し、社会学研究所のオリガ・サヴィンスカヤ研究員は次のように答えた。
「理想的な成人年齢というものはない。各国で成人年齢は14歳〜21歳と揺れがあるが、18歳に設定されている国が多く、ロシアもそうだ。18歳は精神的そして心理・肉体的な数値でも、自らの人生やキャリアにおける狙いや好みが一定程度定まる。そして自らの行動に責任を持てる年齢だ。もちろん、これはかなり個人による。14歳ですでにほぼ人格が形成される者もいれば、30歳でも子どもで居続ける人もいる。現在は激しい変化、社会のデジタル化、見たこともない新技術に基づいた全く新しい環境が形成されている。そして高齢者からなる政府はしばしばこの変化を適切に受け止め、時代の挑戦に応えることができない。そのため、政治へ若者を引き込むことは世界的な潮流だ。日本政府もそれを指針としていると思われる。」
ロシア国立研究大学経済高等学院のアンドレイ・フェシュン准教授は次の見方を示した。
「動機は何よりも政治的なものだ。日本では有権者の減少が常に進んでいる。最新の計算では投票率は35〜39%に落ち込んだ。成人年齢引き下げは若い世代に選挙に向かう可能性を与える。9月には自民党の選挙が控えており、もし安倍首相が再選すれば、さらに1期続けて自動的に首相を続投する。土地をめぐるスキャンダルが続き、安倍首相の支持率が揺らいだ。どうやら、好奇心からだけでも若者が選挙に参加すれば素晴らしいと発言したことがある小泉元首相の戦略に走ったようだ。成人年齢引き下げが経済的利益をもたらすことはないだろう。これは国の未来により多くの責任をもつ必要があるという若者への社会的メセージだろう。そして未来は少子高齢化により不安にな様相を呈している。」
同様の見解を心理学・社会学・社会運動研究所のラリーサ・オフチャレンコ研究員が示した。
「若者は、あらゆる喪失と限界を経験したそれまでの世代より枠にはまっておらず、自由でオープンだ。確かに彼らは前世代が作りあげた消費社会の産物だが、そこから物神崇拝を行うことはない。彼らには異なる行動モデルがある。それは教育、多方向的な成長、旅、そしてバーチャル世界での活発さだ。そして若い人々がすぐに家族や国の命運への責任を持とうとしない。そのため、政府は法的に彼らに大きな責任を与え、政治に引き寄せたいのだ。そしてこれがアクチュアルなのは日本だけではない。」
日本の選挙権が20歳から18歳に引き下げられたのは2016年のことだ。政府は、引き下げにより多くの若者を政治に引き寄せ、政治リテラシーを高めることができると期待している。