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好むと好まざるとにかかわらず、米国と北朝鮮は現在、事実上、露中両政府によって提示されたプランの原則に基づいて対話を展開している。即ち、政治的対話のフォーマットでの北朝鮮のミサイル・核問題の段階的解決と、北朝鮮の国境近くでの軍事的活動の並行的な縮小である。北朝鮮政府は自国の核実験場を既に爆破し、今後の実験を断念しつつある。米国は韓国と共同で、軍事演習を一時停止した。北朝鮮との戦争案の習熟が演習の目的だったことは秘密ではない。そして同時に、南北間と米朝間における2国間での活発な政治的対話が行われている。
さらに、6カ国協議によって、地域の国々の利益を考慮に入れることがより可能になる。日本にとって、この利益というのは拉致と中距離ミサイルの問題であり、これが北朝鮮の安全を保証することをより重いものにする。米国による口約束だけでは足りない。核兵器開発を断念したリビアの荒廃を思い出してみよう。
同時に、ロシアには、欧州においてと同じように、朝鮮半島に対するエネルギー供給システムを創設する用意がある。6月15日、北朝鮮領を通るパイプラインを使った半島へのガス供給に関する交渉を、ガスプロムと韓国が再開したことが発表された。
ガスプロムのマルケロフ取締役副会長は記者らに対し、「我々はこの問題を、既に2011年に韓国側と議論し始めた」と述べ、「複数の予定ルートが選定され、北朝鮮とも、韓国とも交渉が行われた。その後、南北間の関係が悪化し、交渉は一時停止された。しかし今日、朝鮮半島における政治的状況はいくらか別のものになっている。韓国側は既にガスプロムに対し、交渉再開に関して問い合わせをしてきた。一連の会合が既に行われている」と語った。
2011年、ガスプロムと北朝鮮の原油工業省の間で相互理解についての覚え書きが署名された。覚え書きに従って双方は、ロシアから朝鮮半島へのパイプラインを使った天然ガス供給プロジェクトの実現のため、協力することで合意した。北朝鮮側からの支持を得る目的で、ガスプロムとKOGASは、ロシアから韓国への天然ガス供給実現に関する「ロードマップ」に署名した。
一方、ロシアのプーチン大統領は2013年、ロシアが「南北朝鮮の間の」関係に介入することはなく、「もし南北双方が合意できれば、この案はかなり急速に実現されるだろう」と述べている。
ロシア産ガスが韓国に、2017年に供給され始めることも計画されていた。ガスパイプラインの総延長は、最短ルートが選ばれれば、1100キロとなる可能性がある。そのうち700キロが北朝鮮を通ることになる。KOGASは、北朝鮮を通る区間の建設費用を25億ドルと見積もった。ロシアから韓国への予想されるガス供給量は、最大で年間120億立方メートルとなる可能性がある。
しかし、利益を勘定するにはまだ早い。ただ、朝鮮半島における関係安定化のためにこのようなプロジェクトが有する政治的意義について忘れることもまた、してはならない。韓国政府内では、このような協力の政治的・経済的側面が良く理解されている。
韓国の文在寅大統領は、今回のモスクワ訪問を前に、ロシアの記者らに対し、「3者間の協力に関して言えば、これは鉄道や送電線の連結、またガスパイプラインの建設のような複数の大規模プロジェクトになる可能性がある。これらの実現は、必要な諸条件が満たされれば可能だ。朝鮮半島縦断鉄道の連結後には、この鉄道はシベリア鉄道に出ることができる。この場合、韓国からの貨物の流れはシベリア鉄道を通って欧州まで行くことができる。このことは、経済的利益を南北にだけでなく、ロシアにももたらすことになる。我々はまた、ガスパイプラインを北を経由して敷設することもできる。そうすれば、ロシア産ガスを受け取れるのは韓国だけではない。我々は、例えば、ガスをさらに遠くの日本に輸送できるようになる」と述べている。