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ICOとは、デジタル貨幣の最初の割り当てのことであり、資金を調達したいと考える各企業が実施する。IPO(新規株式公開)とは異なり、企業は株式の代わりに、いわゆるデジタル「トークン(貨幣)」を発行する。ICOには、数セントであっても出資することができる。このようにして、任意のプラットフォームに仮想通貨のウォレットを持っている人は誰でも、投資家になることができる。
「ICORating」と「DigRate」両社の専門家らはスプートニクに対し、投資に値するプロジェクトを偽のICOからどのように見分けるべきか、そして詐欺師が仕掛けた罠にかからないためにはどうするべきかについて語った。
デジタル資産の評価を行っている格付け会社「DigRate」の創業者、アルセーニー・ポヤルコフ氏は、「一番大事な答えは、理解できることに投資せよ、ということだ。立派な構想の大部分は、現実には、残念ながら、実現可能ではない。プロジェクトのうち大部分は、お金を集めるという目的だけでICOを実施しており、投資家らに資金を返却する明瞭なモデルを有していない」と語っている。
- 罠が仕掛けられているのはどこか
専門家らは投資家に対して、詐欺師が仕掛けた罠を回避するためには、まず第一に、自分が何のためにプロジェクトに投資し、その結果として何を受け取りたいのかを理解するようアドバイスしている。ポヤルコフ氏は、「最大の罠は、過大な期待だ。残念ながら、ICO市場におけるプロジェクトの99%は、失敗を運命づけられている。もし、全てが素晴らしいように見えたら、もう一度よく見てみるべきだ。実現可能なプロジェクトを持つ立派なチームというものは、クラウドファンディングを通してお金を集めることが非常に稀であり、投資家らにとっての収入が発生するのは、さらに稀なことだ」と述べている。
投資家はまた、プロジェクトのテクノロジー的特性に対しても注意を向けていくべきだ。例えば、全プロジェクトがブロックチェーン技術を必要としているわけでは全くない。取引の全ての詳細が記載され、投資家らの安全を確保するスマート・コントラクトの存在が、それとは反対に、不可欠であるにもかかわらずだ。開発チームのメンバーが誰か、ということはかなり重要だ。プロジェクトのウェブサイトで紹介されている人々が実在の人物なのか、大企業とのパートナー関係をその企業が有しているというのは実際のことなのか、といったことだ。
プロジェクトのマーケティングがあまりにしつこいものであったり、他のプロジェクトの情報やデータ、構想、あるいはコードが盗作されていたりすることも、詐欺的ICOの兆候であると、ポヤルコフ氏は付け加えている。
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