スプートニク日本
だが今年、日本で国際ロシア舞踏会が開催される。9月24日に「神戸ポートオアシス」で予定されている。同舞踏会の形式は、最大数百組の男女のペアが集結する有名な舞踏会「ヴィーナー・オーパンバル」の伝統に一部のっとって行われる。欧州では18世紀にこのような舞踏会が開かれるようになったが、ウィーンで特に盛んになり、一種のカノンとなった。ヴィーナー・オーパンバルは、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
同イベントでは、ほぼ全員が新人となる。なぜなら同舞踏会が日本で開かれるのは今回が初めてだからだ。クラシックオーケストラの演奏、オペラ、バレエ、ジャズライブなども予定されている。そしてもちろん、すべての舞踏会がその踊りで始まるポロネーズやワルツのようなゆっくりしたテンポの厳かなダンスをみんなで一斉に踊る。
「国際ロシア舞踏会ダンス」の主催者は、在日本ロシア文化支援センター。同センターの所長を務めるミレーナ・ヌルさんは、日本在住歴15年のロシア人歌手。
ヌルさんは、通信社スプートニクのインタビューで、同イベント開催のアイデアがどのようにして生まれたかについてお話ししてくれた-
「この舞踏会を開催するアイデアは2017年に生まれました。でも日本人にとって新しいこのようなイベントは、露日交流年の2018年に開催した方がいいと考えました。まだ日本には、ロシアでは誰もが古い被り物をして民族舞踊を踊っているというステレオタイプを持っている人たちがいます。ロシア文化はその多様性において非常に豊かです。舞踏会は常に上流社会のイベントであり、それは時間を文化的に過ごすためだけではなく、新たなビジネス関係を築くための出会いの場でもありました。24日の舞踏会には、およそ80カ国の代表者が招待されています。現時点で、オランダとインドネシアの領事夫妻、エストニアの名誉領事、ベラルーシ大使館の代表者、また日本の政治家や外交官などが出席してくれることになっています」。
ヌルさんによると、観覧ではなく、舞踏会への参加を希望する人たちは、事前にレッスンを受けて準備をすることができた。
ヌルさんは、続けて次のように語っている-
「舞踏会のオープニングの目玉は、新人の登場です。とても人気のあるモスクワでのヴィーナー・オーパンバルでは新人カップルの厳選があり、大勢の人は参加できませんが、私たちの舞踏会にはそのような厳しい要件はありません。ですから、新人の年齢は16歳から100歳までになる可能性があります。彼らは2月からダンスマスターのサイモン・フクミヤ氏(尼崎市)とビクトリア・トルストワ氏(京都市)のレッスンを受けてダンスを習得しました。第1回国際舞踏会に向けた準備として、私たちはマスタークラスの形で春の舞踏会と夏の舞踏会を開催しました。そこではレッスンに通った人たち全員が、世界のあらゆる舞踏会がそれで始まるポロネーズを踊りました。またポロネーズ以外の他の踊りも試しました」。
9月29日には京都でロシア文化フェスティバルが開催される。同フェスティバルの「呼び物」は、ヴィクトリア・トルストワさんが創設したロシアの舞踊アンサンブル「カチューシャ」の公演だ。トルストワさんはスプートニクのインタビューで、次のように語った-
「今回は、地下のショッピングセンターのスペースを借りました。いつものようにファッションショーをします。ですが今回は『お母さんと娘』という形式です。私たちのデザイナーが、ロシアのスカーフからドレスをつくりました。とてもカワイイ仕上がりとなりました。また最近京都にオープンした『赤の広場』というお店も出店し、ピロシキ、チョコレート菓子、蜂蜜、ソーセージ、民芸品、その他のロシア製品が店頭販売されます。日本人の間で人気のある『カチューシャ』のコンサートも行われます。
神戸での舞踏会と京都でのロシア文化フェスティバルは両方とも、日本にいるロシア人だけでなく、ロシア文化に関心を持つ日本人や、日本で暮らす外国人のことも対象として企画されている点で共通している。またこの2つのイベントは、日本で暮らすロシア人と地元の人々とのコミュニケーションも促進する。まさに露日交流年のすべての行事は、この両国民の相互信頼を高めることを目的としている。