スプートニク日本
現在、ジブチに軍事基地を持つのは米国、フランス、イタリア、中国。仏基地にはスペインとドイツの軍隊も駐留している。人口100万人弱のジブチには、およそ1万人の外国兵が駐留している。2011年には自衛隊も一時的な拠点を設置。だが去年11月には3ヘクタールの土地を新たに借り上げて拡大した。拠点を恒久化する方針も固めた。3人の省庁筋を基に報じるロイターの分析によると、恒久化は海賊対策ではなく、中国への対抗が狙いだ。
「米政府はアフリカでの中国の影響力拡大に不満をいだいている(インフラプロジェクトへの最大規模の投資は中国から)。しかも中国は拡張を、米国に続き、ジブチでの恒久的な軍事基地の開設によって強化した。日本の行動の目的はおそらく、米国のサポートだ。米国防総省はすでに、ジブチで米軍機にレーザーが照射されたと訴えている。米パイロットによると、レーザーは中国の軍事基地から照射された。だが重要なことは、ジブチが全アフリカ大陸の主要監視拠点であることだ。大陸にはアジアへの主要原油輸送路が通っている。こうして、日本のジブチ拠点が北京に対抗した米国のプレゼンス強化を目的としている可能性は十分にある」
世界のプレーヤーにとってのジブチの魅力とは?ジブチは、アラビア海を東に構えるアデン湾と紅海を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡の南西部に位置する。インド洋と太平洋を結ぶアジア行きの主要航路はジブチを通る。また、インド洋からサウジアラビア西海岸やイスラエルのエイラート港へ向かう海路がある他、スエズ運河を通って地中海にも繋がる。
中国は米国からの潜在的な脅威にさらされている自国貨物の輸送路の安全を確保したいと、カメンノフ氏は指摘する。
「米国は2017年に発表した軍事戦略で、中国を(北朝鮮とロシアと並び)主なライバルと呼んだ。テロリズムは米国に対する脅威の5位を占めたに過ぎない。米中間の競争は貿易戦争を背景にどんどん緊迫化している。当然、中国の交易路はまだ誰も封鎖していない。だが今日、あらゆるシナリオは除外できない。中国は自国で最も重要な経済的課題の解決における最優先地域の1つとしてアフリカを見ている。その課題とは、安い原料源へのアクセスだ」
「この数十年間の中国経済の桁外れの成長率(年約6%)は、これほどまでの原料資源の流入テンポの増加を要求する。ジブチは天然資源をそれほど多く有さない。だがその港は、豊富な天然資源を有する隣国、エチオピアの唯一かつ主要な海への出口なのだ」
アフリカでの中国の活発な動きは当然、米国を強く苛立たせる。だが日本がジブチの拠点を恒久化するのは、第一にまず自国の利益のためだ。軍事政治分析局のアレクサンドル・ミハイロフ局長はそうした見方を示す。
「他大陸への中国の活発な進出は日本を不安にさせる。世界の力の極が劇的に変化しうることはますます明らかになっている。日本は、米国の軍事的保護から徐々に脱却して、より独立した国家になる必要性をより頻繁に検討している」