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ロシア側は米国の計画を非難。ロシア外務省はこれは威嚇であり、これを用いて米国は戦略的安定の分野でロシアから譲歩を取り付けようとしているとの声明を表した。条約は有効期限を持つものではない。しかしながらどちらの側も、どうしても破棄を余儀なくさせられる証拠を提示した場合は破棄することはできる。ところがロシアの声明からは、米国が証拠を提出した形跡は一切ない。
中国社会学アカデミー、地域安全保障センターのヤン・ダンジ所長は、米国は自分の決定で明確な目的をもって中国に攻撃を仕掛けたとの見方を示し、次のように語っている。
「INF条約は当時、米国とロシアがした継承ソ連の軍拡競争を制限し、バリアとなるものだった。米国の一方的な破棄が意味するところは、この分野では誰かの統制は受けず、したい放題するということだ。米国がよく『後ずさり』する理由は自国の戦略的ライバルを思うようにコントロールする可能性を絶たれていることにある。国際的なメカニズムや合意が障害となり、米国はこれができない。なぜ米国は中国をINF条約に結わえ付けようとするのか? 米国が露中を戦略的ライバルとみなしたことは明らかだ。経済、安全保障に関する多くの問題では米国は中国に悪者のレッテルを貼っている。前提条件としてこうした反中国的な行為を発信し、米国は安全保障、軍拡競争の分野をコントロールする全ての制限を自分から取り除こうとやっきになっている。」
「露米のINF条約に中国が何の関係があるというのだ? 何もないではないか。中国は中距離ミサイルを作り始めてから久しい。中国の戦略核兵器の基礎はまさに中距離ミサイルで、それ以外の何物でもない。米国が条約破棄する原因が中国が独自の中距離ミサイルを展開しているからだというのは全く馬鹿げた話だ。単なる露骨で図々しい言い訳であり煽動にすぎない。中国のミサイルブログラムはINF条約とは一切関係がない。中国は常に中距離ミサイルを保有してきている。これが理由で米国とは二国間の中短距離ミサイル全廃条約を結んでいないのだ。インド、パキスタン、イスラエルも同様で、これらの国はこうしたミサイルに適した弾頭を非常に多く保有もっており、試算では200発から400発とされている。このため米国が中国のミサイルを問題視するのは単なる前提条件に過ぎない。」