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しかし2018-2019シーズンになると、彼女らにライバルとなる日本人スケーターが現れた。宮原知子選手はグランプリシリーズアメリカ大会で優勝、若干16歳の紀平梨花選手は日本とフランスのグランプリシリーズで優勝。この2人と、去年の四大陸選手権で優勝した坂本花織選手をあわせた3人が日本からグランプリファイナルに出場する。
スプートニクはこの予想不可能な大注目のグランプリファイナルを前に、昨シーズン名古屋で行なわれたグランプリファイナルで銀メダルを獲得したマリア・ソツコワ選手に話を聞いた。女子シングルの勝負の行方はいったいどうなるのだろうか。
ソツコワ:今回のファイナルはとても面白く興味をそそられるものになるでしょう。ロシア人スケーターと日本人スケーターの競争は本当に激しいもので、今までこんなことはありませんでした。紀平選手はプログラムの中で2回もトリプルアクセルを成功させています。最も印象に残ったのは、他の難しいエレメントを理想的にこなしながら、トリプルアクセルをあまり速くないスピードでやってのけているということです。これはすごいですよ!でも、ロシア人スケーターも、全ての難しいエレメントとコンビネーションジャンプを理想的にこなしたら、技術面で高得点が稼げるでしょうし、優勝できるチャンスがあると思います。
スプートニク:日本のフィギュアスケーター、特に紀平選手が、ここまで伸びてきたのは何故だと思いますか。
スプートニク:多くの女性選手が、とても若いときに素晴らしい結果を残しますが、身長が伸びるにしたがって演技に問題が出てきています。ソツコワさんは身体的、精神的に大人になるにつれて出てきた問題をどのように氷上で克服しましたか。
ソツコワ:私の場合、身体的な成長にともなう身体の立て直しは、自分でもほとんど気付かないままでしたが、精神的な面での方が大変でした。今になってやっとわかったのは、シニアの舞台の戦いに慣れることこそが、身体的変化よりも、安定的な演技をするためにもっと大事なプロセスなのだということです。
スプートニク:紀平選手はジュニア時代に二回、グランプリファイナルに出場しましたが、最高成績は4位でした。それがシニアに上がった途端、すばらしいポテンシャルを見せてくれるようになりました。この現象についてどう思いますか。
ソツコワ:紀平選手のポテンシャルが、シニアになってようやく花開いたという見方には、私は賛成しません。ジュニア時代で彼女はすでにトリプルアクセルを跳ぶ強いライバルでした。しかしロシアの若い選手たちはそのとき、「石でできた壁」のようにそびえ立ち、紀平選手に優勝するチャンスを与えませんでした。ここで言うところの石の壁とは、ロシア選手のテクニックと安定感のことです。紀平選手は彼女らと違ってミスをし、表彰台に上がれませんでした。でも、ジュニア時代から、彼女の才能は誰の目にも明らかだったのですよ。
ソツコワ:次にいつお会いできるかはっきりした日時を示すことはできませんが、日本のフィギュアファンの皆さんが素晴らしい、ということは、はっきり言うことができます。彼らは、色々な国へ大会観戦に出かけています。私が出場予定の全ロシア選手権でも、日本のファンの皆さんが観戦に来て下さることを望んでいます。もちそん、それは羽生選手が出るときほど多くの数ではないと思いますが、それでも日本のファンの皆さんの一部は、ロシア最強のスケーターを見ようと、モスクワに来てくれると信じています。
グランプリファイナルはカナダのバンクーバーで12月6日から9日にかけて開催される。フィギュアスケートに関する最新のニュース、写真、映像レポート、インタビューは、スプートニクの特設コーナーでご覧ください。