そもそも人生で最も大切なものや事柄を二文字で表せてしまうというのは象形文字を使用している民族の特権だ。アルファベットではこうはいかない。
そこで、「立ってるものは社員でも使ってしまう」スプートニクも、日本語専門家の同僚をネタに使い、社内ハッシュタグを発令してみた。
マルチメディア担当のSちゃんが選んだのは「志願」。「どんな時も断固として負けない。犠牲を厭わない覚悟をもってこそ、自分を自由に幸せにすることができる」という純粋な説明に同僚は感涙。こんな人間と席を並べて仕事のできる幸せをかみしめる。笑った顔が可愛い彼女は「笑顔」も選んでいた。「笑顔を見ると心があったかくなるから」だそうだ。納得。
個性の強烈な社員を日夜取りまとめているD編集長が書いたのは「協力」。「人生のあらゆる場面で重要なこと」と短い説明に彼女の日頃の努力がしのばれる。
料理好きのMちゃんは「菓子」。「スイーツのない人生は意味をなさない」と言い切る彼女は「菓子」を口に入れながら、いい記事を書いているのだろう。
日本の岡山で特派員生活中のJさんはずばり「炬燵」。「日本の厳冬にセントラルヒーティングもなく、必死で暖を取ろうとする今の自分にはこれ以上重要なものは浮かばない」というのだが、彼女の二文字は夏になったら「冷房」に変わるに違いない。
他に列挙されたのは文学少女Eさんの「知識」。「悪意は知識のなさから生まれる。善意の発露のあるところに悪意はなしというソクラテスの言葉によって説明できる」という。「民意」を選んだLさんは「市民が自分の問題を自由に表現し、権力と対話できる自由の重要性」を力説した。「創造」を選んだのはしなやかな発想のAちゃんだ。
ところで、ここまでお読みくださったあなたの頭の中でも同じ問いがめぐっているのではないでしょうか? 「あなたの人生で最も大切な二文字とは?」