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この記者会見では北朝鮮への石油製品密輸を哨戒機で追跡した結果に関する機密諜報報告書の一部が発表された。2017年10月から500回の哨戒機航行が行われ、東シナ海と南シナ海をはじめとする公海上で北朝鮮のタンカーに石油と石油製品を積み替える「瀬取り」30件が確認された。この作戦には日本の飛行機も参加。2018年5月には日本のP-3哨戒機が上海から218海里離れた地点で「中国旗に似た」旗を掲げる船から北朝鮮船舶に石油が積み替えられた現場を押さえた。
北朝鮮の密輸は世界的に憤慨とともに報じられている。だが、海上輸送の制限(制裁や海上封鎖)が設置されるところではどこでも、密輸業者がすぐに現れるというよく知られた事実が忘れられている。制裁により年50万バレルもしくは6万7千トン以下の石油輸入制限に直面した北朝鮮が、密輸に走らないという考えは甘すぎるだろう。
国連のデータによると、石油と石油製品の密輸はよく組織されている。北朝鮮のタンカーは偽名を使い、貨物船に見えるような偽装を船に施している。船の識別番号、位置、針路、速力などを伝える自動船舶識別装置は停波しているか、誤った情報を伝えている。北朝鮮タンカーに石油を積み替える船舶は石油積替え用に改造した漁船であることが多い。密輸の総量は明らかではない。
いずれにせよ、北朝鮮は石油と石油製品密輸により状況を大きく緩和していることが分かる。
北朝鮮が密輸に支払う代価は何か?韓国が2018年に行った調査によると、北朝鮮は石炭、成形木炭、鉄を密輸出している。一部の韓国国民は2017年、北朝鮮産の石炭を8万1900トン、成形木炭を4100トン、鉄を2千トン、額にして計1240万ドル分購入した。これは氷山の一角に過ぎない。だがこの数字は北朝鮮が密輸出から多くの収益を挙げていることを示す。
制裁はこのように、北朝鮮に密輸出入を強いる。この密輸出入はより危険な形態を帯び、世界における不安定化の促進に大きく貢献している。