ハリウッド映画にはなぜ米国生息の鳥が出てこない?

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米国の鳥類学者や鳥愛好家は、ハリウッド映画に出てくる鳥の信憑性に期待すべきでないことを知っている。自動車や街の看板、日常生活のディテール、服装、さらに俳優のアクセントなどは本物であることは間違いないのだが、こと鳥に関してはちがう。

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米俳優ジョニー・デップがインディアン役で出演した映画『ローン・レンジャー』のハゲタカを覚えているだろうか。ハゲタカはアフリカの鳥だ。映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の森鳩はどうか。これも生息地はアフリカだ。『レヴェナント: 蘇えりし者』で、コンピューター・グラフィックで描かれたカラスも米国に生息してはいない。

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実際はすべて映画のプロデューサーに落ち度があった訳ではなく、これは1918年に制定された米国連邦法の「渡り鳥条約法」によるもの。この法律は、商業目的で渡り鳥類を利用することを禁止したもので、現在に至るまで一貫して順守されている。

一見奇妙にも思えるこの法律だが、このおかげで、すでに数十年に渡って、絶滅の危機に瀕していた希少種の鳥たちが保存されてきた。そうした中には、たとえばユキコサギのように、20世紀初頭に絶滅に瀕していたものの、この法律の制定により救われた例もある。

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