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日本政府観光局(JNTO)によると、2018年には、世界中から3100万人以上の人々が日本を訪れた。東京でオリンピックが開催される2020年には、訪日観光客数が4000万人に増加する政府はと期待している。これは良いのか、悪いのか?間違いなくプラスなのは、例えば、新しいホテルがオープンし、それに伴って雇用が増加することである。外国人に日本文化をもっと知ってもらいたいという願望は、観光分野においてあらゆるサービスの増加を後押しし、価格の引き下げを促進する。観光客が各地に均等に分散するよう、政府は地方発展のために資金を拠出しており、これに地元住民が喜ばないはずがない。
2019年秋に日本で初めて開催されるラグビーワールドカップはオリンピックのゲネプロとなる。この大会はラグビー史上初のアジアで開催されるワールドカップであり、アジアの多くの国々でラグビーは極めて人気のスポーツだ。当然、ワールドカップでロシア人を含む多くのアスリートやファンが日本にやってくる。
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年に日本を訪れたロシア人の数は94000人を超える。これは2017年比で22.7%増である。JNTOによると、2018年の訪日観光客数の増加率でトップ5に入ったのは、ベトナム(+ 26.7%)、ロシア(+ 22.7%)、イタリア(+ 19.2%)、スペイン(+ 19.1%) とフィリピン(+ 18.8%)である。観光客数で見ると、韓国、中国、台湾、香港、アメリカとなる。
旅行会社OneTwoTripがスプートニクに語ったところによると、2018年に日本行きの航空券を購入したロシア人は2017年に比べて34%増加した。OneTwoTripの専門家によると、ロシア人観光客の増加にはいくつかの要因があるという:特に団体客に向けた査証の大幅緩和、日本を専門とする旅行会社のオープン、航空券の値下がり、そして、お互いの関心を刺激し、日本渡航の需要を押し上げたロ日交流年である。
その一方で、インバウンド観光の急増に決してすべての日本人が喜んでいるわけではない。自然保護と自らのアイデンティティ維持を大切にし、独特のニュアンスを持った世界観やコミュニケーションの機微が文化の基盤にあるこの国では、数百万人の外国人の流入に対処するのに苦戦している。というのも、外国人の大多数はエチケットや地元の生活様式の特殊性を知らないのみならず、常に礼儀正しい行動をする者ばかりでもないからだ。これによりいくつかの地域では、例えば京都のように、観光客の流入制限を求める地元住民の運動が発生している。しかもこれは観光客が年間約1兆円を市の予算にもたらしているにも関わらず起こっているのである。こうした運動を行う活動家らは、観光客が自分たちの市に多額のお金を落としてくれていることは分かっているが、地元住民をひどく不快にしているのだと語る。人々はまた、「観光公害」を制限しなければ、日本の古都の独特の雰囲気が失われてしまうことも危惧している。