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プーチン大統領はクレムリンでの記者発表にあたり、「この先、相互とも受け入れられる解決策を見つけるための条件を形成するにあたり、細かく慎重な作業をしていくことになります。課題は、質の高いレベルで、日露関係を長期的で多面的に発展させることです。そして当然ながら、交渉で提案される解決案というのは、ロシア国民にとっても日本国民にとっても受け入れられる、両国の社会から支持されるものでなければなりません」と述べた。これはじゅうぶんにスタンダードな、いつものお決まりのセリフであり、交渉における何らかの進展のヒントを示すものではない。
安倍首相が記者発表で唯一明らかにした具体的な合意事項は、日露の外相が2月に会談するということであり、それはドイツ・ミュンヘンでの安保会議の際に行なわれるかもしれない。また、日露首脳の特別代表による交渉も行なわれる。
安倍首相はG 20サミットが開かれる6月にプーチン大統領を日本に招くことも明らかにした。安倍首相はプーチン大統領が首脳会談だけでなく日露交流年の閉会式に参加することを望んでいるようだ。
歩み寄り案を練るためには、もう5か月しか残っていない。この期間の間に最低でも、平和条約締結問題のための基礎文書である日ソ共同宣言の解釈を一致させなければいけない。日本とロシアは今のところまだ、共同宣言9条をそれぞれに理解しており、現在、法的に、南クリルの主権は誰が有しているのかという、基本的な部分で意見が対立している。
それ以外にも、両国首脳は、なぜ妥協策を見出さねばならないのか説明に追われるかもしれない。例えばロシアでは、何故日本との平和条約が必要なのかほとんどだれも理解していない。平和条約なしで70年以上も普通にやってこれたからだ。その一方で、南クリルをロシア領としたことを意味する第二次世界大戦の結果については、8割以上の国民が誇りに思っているのだ。
公に発表するための妥協の根拠は、安倍首相にとってもプーチン大統領にとっても、重みと説得力があるものでなければならない。これもまた、両国首脳にとって、合意すべき分野である。