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米国の研究者やエンジニアは、レーザー光線を使って離れたところに音を伝えるシステムの実験に成功した。このシステムの基本は光音響効果で、その効果の下では、ある材料による光の吸収の結果として音波が形成される。その物質とは普通の空気中に存在する水蒸気粒子だ。
研究者たちは、彼らによって作成されたシステムは、空気中の水分が極少量でも機能すると指摘している。それは、最も少ない水分子でもほぼ完全に吸収されるレーザー波長を選定することができたためだ。
実験では、レーザーによって伝達された音声情報は、同じ部屋にいた他の人に聞かれることなく、2メートル離れた人の耳に直接届けられた。なお開発者らは、これは人間の目と肌にとってまったく安全なレーザーを使用したはじめてのシステムであると主張する。
システムの開発者たちは、今後の研究が音の伝達距離を伸ばし、この技術を緊急時に使用できると確信している。同システムは、軍事分野での活用が可能で、緊急の秘密メッセージの送信や、騒がしい部屋でのコミュニケーションの提供、1人の受信者だけを対象とした緊急メッセージの送信などを可能とするかもしれない。