露専門家、日本にある風力発電機の羽根から渡り鳥を救う計画に論評

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オジロワシ 【アーカイブ写真】 - Sputnik 日本
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風力発電所が原因となって死ぬ希少種の鳥についての極度の不安が理由となって、日本の原田義昭環境大臣が国内の「風力パーク」の概念の見直しを呼びかけることになったと、毎日新聞が伝えている。

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同国の経済産業大臣に宛てた書簡には、北海道の北端にある大規模な宗谷岬ウインドファームを建て替える重要計画が含まれている。2005年に稼働を開始した同発電所は、それぞれ1千キロワットずつの発電設備57基からなるネットワーク。これらの発電設備は、越冬のため日本に飛来する一部の渡り鳥の移動ルート上にちょうど位置している。そのような鳥の中には、例えばオジロワシやオオワシがいる。このうちオオワシは、ロシアのレッドデータブックに登録されている。オオワシは、カムチャツカ半島やオホーツク海沿岸、サハリン島北部、シャンタル諸島、クリル諸島のほか、朝鮮半島にも広がっている。日本の環境省による何年にもわたる観察のデータによると、鳥による風力発電機の羽根との衝突は、大部分のケースで鳥が死ぬ原因になっている。

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代替エネルギー源が原因で鳥や魚、他の動物が死ぬことに対して、注意を払っているのは日本においてだけではない。代替エネルギー源からより多くもたらされるのは、利益か、あるいは害か、いったいどちらだろうか?スプートニクによる疑問に、ロシアの全国エネルギー安全保障基金の主任アナリストであるイーゴリ・ユシュコフ氏が答えている。「鳥類学者たちは、渡り鳥が自らの飛行ルートを変えることはない一方で、渡り鳥における空間内の位置判定能力はGPSに劣るものではないと断言している。越冬のためロシアから日本やサハラ砂漠へ飛び去る渡り鳥は、自分たちの巣があったのとほとんど同じ場所に帰ってくる。この自然現象を変えることは不可能であり、このことはつまり、この現象を考慮に入れ、鳥の移動ルート上に風力発電設備を配置することを自制しなければならないことを意味する。実を言うと、これ以外には、環境への他の脅威を、風力発電所も、太陽を利用した発電所も全く作り出さない。鳥の問題は、例えば、鳥類学者たちによる勧告を考慮に入れて風力パークを移設することによって解決できる」。

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スプートニク:多くの国々の環境学者たちやエネルギー専門家たちは、様々な陣営に分かれている。では、どのようなエネルギー源が最も安全なのか?

ユシュコフ氏:「100%安全で理想的なエネルギー源を、人類は今のところまだ見出していない。無害だと思われていた風力発電機でさえも、鳥の死をもたらしている。さらに、風力発電機は土壌の振動を引き起こす可能性があり、このことは他の動物に対して悪影響を与える。太陽を利用した発電所は、それ自体としては安全だが、そのためのバッテリーを生産することは環境への脅威をもたらす。従来のエネルギー源について言えば、ここにも様々な種類の脅威がある。水力発電所は、移動する魚にとって、産卵期などの時期に克服し難い障害を作り出す。原子力発電所は、深刻な事故の場合の大きな潜在的危険を秘めている。環境と経済の間の選択という観点からみれば、私は天然ガス分野の支持者だ。鉱物エネルギー源の中で、ガスは大気中に放出する有害排出物の水準が最も低い。しかも同時に、ガスは十分に安価なため、消費者にとって手頃なものなのだ」。

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