北朝鮮、制裁に打撃とけん制 トランプ氏は第3回米朝会談に意欲 これが意味するところは?

© REUTERS / KCNAトランプ氏は第3回米朝会談に意欲
トランプ氏は第3回米朝会談に意欲 - Sputnik 日本
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北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は10日、自立経済に意欲を示すとともに、対朝制裁に対し打撃を与えるべきだとけん制した。この表明の翌11日、米韓首脳会談が開かれ、トランプ米大統領は第3回米朝首脳会談への意欲を見せる一方で、制裁解除は不適切だとの認識を示した。スプートニクは複雑な状況の解説を求め、朝鮮に詳しいコンスタンチン・アスモロフ氏にインタビューした。

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正恩氏が10日の党中央委員会総会で出した次の表明は、北朝鮮の朝鮮中央通信の報道に基づき、韓国の聯合ニュースが報じた。

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「我々は発展中の社会主義経済の旗を絶えず揚げ、制裁によって私たちに膝をつかせられると誤って信じている者たちに打撃を加える必要がある」

表明を出したのはちょうど11日に行われた米韓首脳会談の前日だった。会談の議題は朝鮮半島の非核化の手段。韓国は、南北朝鮮間の平和と友好関係、緊密な経済協力が必然的に北朝鮮の核軍縮につながるという立場を取った。そのため韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米国に制裁を一部緩和し、北朝鮮側から協議を行い措置を講じるよう刺激を与えるよう提案した。

トランプ氏は反対に、北朝鮮の核軍縮は朝鮮半島での平和確立の前提条件だとして、その目的のため政治的圧力としての制裁を保つと主張した。トランプ氏は一方で、米財務省が予定していた追加制裁を取り消したことを認めたうえで、第3回米朝首脳会談への意欲を示した。さらに、米朝韓の3か国首脳会談の可能性も示唆した。

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正恩氏が警告した「打撃」とは何を意味し、米韓会談は核問題の解決策をもたらしたのか?ロシア極東研究所朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ主任研究員がこの疑問に答えた。

  「正恩氏は『打撃』という言葉で何よりも、自国経済を発展させることで、制裁によって膝をつかせようと考えている者たちの期待を打ち砕くことを意味していた。北朝鮮の表明を脅威のように変換することで得をする勢力がある世界において、これは重要なニュアンスだ」

「文氏のワシントン訪問に関しては、問題解決に目新しいものは導入されなかった。トランプ氏は以前も、近い将来での第3回米朝首脳会談の可能性を除外していなかった。トランプ氏は制裁に対する立場を改めて表明した。文氏が他のことを期待していたとは思えない。そのため、この会談は非核化問題の解決よりも、文氏自身に必要だった。国内の有権者に、自身が活発に働きかけており、文氏抜きでは米朝は合意できないと示す必要があった」

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「トランプ氏は文大統領を通じて正恩氏に何かを伝えたかもしれないし、文氏は帰国後、再び南北会談を行おうとするだろう。会談で言及された3か国首脳会談については、私の見解では、2国会談より建設性で大きく劣るだろう」

ロシアのアンドレイ・クリク駐韓大使は先に、制裁と圧力が遅かれ早かれ北朝鮮を崩壊に導くか、原則的な問題での大きな譲歩を強いるとの目論見は過ちだとの認識を示した。

「外部からの締め付けは現行路線のさらなる強化へと北朝鮮の背を押し、急な報復措置を取らせ、朝鮮半島のミサイル核問題解決の展望をさらに遠ざけるに過ぎない」

ミサイル核開発を受け、国連や複数諸国が対北朝鮮制裁を課している。日本政府も最近、制裁をさらに2年間延長すると決定した。延長する制裁は、北朝鮮からの輸入禁止と、北朝鮮船籍の入港禁止だ。 

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