日本に暮らすハーフの数を正確に把握するのは困難だ。なぜなら、国勢調査では、どの民族に属するかではなく、どの国民としてアイデンティティを抱いているかが問われるからだ。朝日新聞によると、2016年に生まれた子どもの50人に1人が国際結婚で生まれた子どもだった。つまり、日本では毎年2万人程度のハーフが生まれているということだ。心理学者によると、ハーフが成長の過程で抱く問題は、外見よりも、アイデンティティによるところが大きいという。こうした問題やハーフの日本での生活のその他の側面について、スプートニクは国際結婚で生まれた子どもを持つロシア人に話を聞いた。ハーフ本人はさまざまな理由でコメントを断ったため、彼らのコメントを得ることはできなかったが、両親らは次のように語ってくれた。
ヴィクトリヤ・トルストワさんは京都のロシア文化センター長で、京都在住歴20年以上、日本人を父親とする成人した息子がいる:「息子は日本人の子どもたちとはかなり見た目が違うのですが、彼が生まれ、小学校にあがったとき、私たちは京都郊外に住んでいました。学校でひとりの男の子が息子をいじめるようになりましたが、教師はこれに注意を払いませんでした。私は日本の学校でのいじめについて色々と読み、いじめをした子どもにとても厳しく話をし、できる限り息子がその子と関わらないようにしました。私は半分ロシア人で半分日本人の息子を育てるシングルマザーで、息子を学業の面で助けることはできなかったので、とても大変でした。けれど、息子を守ることは私の義務でした。
ヴィクトリヤ・トルストワさんによると、今、息子はたくさんの日本人の友人を持ち、楽しく過ごしているという。息子はナオアキといい、ニキータというロシア語の名前もある。しかし、本人は単にナオと呼ばれるのが好きなのだそうだ。
「東京ロシア人クラブ」のミハイル・モズジェチコフ会長はスプートニクに、ハーフ本人の個人的な性格によるところも大きいと語った。彼は日本に27年以上住んでおり、日本人女性との結婚で3人の子どもを持っている。
「知り合いから、国際結婚の子どもに対するいじめについては、何度も聞いたことがあります。なかには、いじめだと誤解しているケースもあります。子どもたちがお互いにわざと乱暴ぶるのはティーンエイジャー特有の行動であるにもかかわらず、母親は息子が貶められている、侮辱されていると感じることがあるのです。一時期、日本の子どもたちの間で「殺す」というショッキングなスラングが流行ったことがあります。しかし、この言葉は子ども達の間では「やめろ」くらいの意味しか持っていませんでした。
日本では周囲から浮かないことが良しとされ、保育園や学校でも厳しい規律に基づいた教育を行います。それは良いことです。しかし、誰でも彼でもすべてを「均す」ことも行われており、私はそれは良くないことだと思います。目立つ個性を持った子どもは嫌がられるか、困惑の対象になるのが常です。権力側の公式見解には何の差別もないのですが・・・」
ハーフの人生は宝くじのようなものだ。出自が原因で自分の運命は損ばかりだと感じる人もいれば、逆に有名人や人気者になる人もいる。例えば、テニスプレーヤーの大坂なおみ、サッカー選手の酒井高徳や和泉新、野球選手のダルビッシュ有、そしてべッキー、滝川クリステル、ローラ、長谷川潤、道端ジェシカ、水原希子など、数多くのいわゆるハーフタレントたちである。