約2週間、米国と韓国はコンピューターを使った机上訓練を実施する。この演習では朝鮮半島での緊急事態への対応方法が試される。さらに約10日間、野外演習において、戦時に韓国軍が米軍部隊との共同軍事作戦を開始できる能力を有するか、チェック作業が行なわれる。
軍事演習「19-2同盟(トンメン)」は、米韓の年次合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」の簡略バージョン。韓国政府は、北朝鮮政府からの厳しい警告にもかかわらず演習の実施に踏み切った。北朝鮮では、これらの演習は首脳会談での合意に違反するものだと考えている。また北朝鮮政府は、短距離弾道ミサイルとみられる飛しょう体は、「韓国の軍国主義者への公式抗議」であることを表明しつつ、演習を非難した。
韓国政府が北朝鮮と透明で信頼ある関係を築くことで得られるだろう利益と、米国の同盟国としての義務との間でバランスをとることは、依然として非常に難しい課題だ。韓国が、国益を考慮しつつも、米国との同盟関係を再検討することができない、またはその意欲がないということは、朝鮮半島情勢を正常化する上でもっとも大きな障害の一つとなっている。
より自立的な日本の立場
察哈爾(チャハル)大学が主催した日本の安全保障政策に関するセミナーにおいて、中国外交大学戦略平和研究センターの創設者でセンター長の蘇浩(Su Hao)氏は、韓国と違って日本は米国との関係を見直し始めたようだと指摘した。
蘇浩氏は、日米安保条約は米国だけが日本の防衛を行い、その逆はないことから、米国にとって不利益だとするトランプ大統領の発言が日本の立場に影響を与えていると強調。この発言後、日本政府は米国政府と若干距離を保つことを検討しはじめた。同時に、中国なしでは日本の経済成長には限界があると、日本は明らかに認識している。日本は、中国の成長を背景に、米国の同盟国としてバランスを保つ必要があると、蘇浩氏は考えている。
スプートニクのインタビューに対し蘇浩氏は、「日本の、対米・対中関係のバランスは、米国との特別な同盟関係を維持しつつも、同時に、中国とあからさまな対立をしないことにある。米国との関係を維持しつつ、日本はこれまでどおり経済的利益のある分野で中国との協力が必要となる」と自身の見解について語った。
現在は、12月に北京で開催される日中韓の首脳会談の準備が進められている。もしかするとこの会議までの残された時間は、日韓貿易摩擦を調整するのに十分かもしれない。さらに首脳会談は、日韓両国が米国との同盟関係を新しい視点で見直し、日中韓のトライアングル関係のバランスを保つ機会にもなり得る。
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