食費は節約、ただしワインは除く
不自由なく節約する人々
ゲーム感覚の節約
国連のフィリップ・オールストーン貧困問題担当相の2017年の報告によれば、「米国は先進国であるにもかかわらず、4000万人の国民が貧困層に属している。これは総人口のおよそ12.7%に相当する」。
しかし、節約は貧困層だけの話ではない。生活に余裕のある人でさえ、節約は身近なテーマとなっており、米国では一種のスポーツやゲームと化している。国民は1ドルでも安い店を躍起になって探したり、雑誌に掲載されている割引クーポンを切り取ったりと忙しない。大手の販売店が定期的に開催するセールの日ともなれば、割引額は時に75%に達することから、買い物客は商品棚から品物をひとつ残らず買い漁ってしまう。また、米国人の大半はコインランドリーの使用を選ぶ傾向にある。職場やオフィシャルなイベントではドレスコードが求められるとはいえ、普段は安いジーンズやTシャツで過ごすことが多い。しかし、移動手段となると話は違う。特に自動車にかかる出費は、中流米国人の予算の大半に相当する。一般的に米国の場合、プライベートカーは1世帯に1台ではなく、数台も所有する傾向にある。さらには、非常に若い頃から最初のマイカーを購入する傾向にある。
超節約術
日本は所得がかなり高いものの、生活費も決して安くはない。英国の国際経済誌『エコノミスト』が毎年発表する「生活費の世界ランキング」によれば、最も生活費が高い街として大阪がスイスのジュネーブと同点で5位にランクインしている。
ただし、日本人が節約できないもの、それは包装費だろう。日本では何層にも商品を入念に包装するのが一般的だ。しかも、それはギフトや高価なお菓子箱に限った話ではなく、一般的な駄菓子も例外ではない。こうしたお金の使い方に海外からの旅行客は驚きを禁じ得ない。生態学者ともなれば、環境破壊の問題とさえ考えている。
携帯電話は動けばいい
研究センター「ロミール」が2019年5月に実施した世論調査によれば、節約とは無縁の生活を送るロシア人は国民全体でわずか17%に過ぎない。その他の国民は何かしらの形で節約を余儀なくされている。調査対象のうち、29%の人は旅行費を節約していると回答した。また、24%の人は食費、23%の人は衣類代、娯楽代を節約すると答えたのは22%だ。一方、出費を気にしないのが医療費とスポーツなどの活動費(7%)、移動費(5%)、そして携帯電話代(4%)だ。最近のロシア人は海外旅行を控える傾向にあるほか、公共交通機関を利用する人や、衝動買いを避ける人が徐々に増えている。