2014年、ロシアがクリミア半島を併合したことと、ウクライナ東部での闘争が災いし、ロシアはG8から外された。G8はその当時ロシアで開催されるはずだったが、急遽ドイツで、ロシア抜きでG7のフォーマットで開催された。
つまりプーチン氏は、もし西側諸国がロシアを必要とするのなら、単なるゲストや特別参加者といった位置づけではなく、ロシアに完全な参加国としてのステータスを回復させることが必要であるとほのめかしているのである。
21日、ロシアのドミトリー・ぺスコフ大統領報道官は、状況は単純ではないとし、G8フォーマット復帰のためには、全てのG7参加国の意見を収集する必要があると報道陣に述べた。
「G8」に宇宙人は招待されるのか?
21日、ロイター通信が、フランスの外交筋の情報として伝えたところでは、マクロン仏大統領は、ロシアのG7復帰はウクライナの状況によるとの見解を示している。情報筋は「米国が、彼ら(ロシア)と来年、再統合したがっているという情報を得た。ウクライナは大きな意味を持っている。前進を可能にさせてくれるような状況が必要だ」と明かしている。
英国のジョンソン首相は「私は、ロシアのG7復帰の根拠をこれから見つけないといけないという、メルケル独首相の意見に完全に同意する。」と、そつなく答えた。
CNNが伝えたところによると、トランプ氏は8月24日から26日までフランス南西部のビアリッツで行われるG7で、ロシア復帰の大義名分を見つけるつもりである、ということだ。
しかしながらこの場合、ウクライナ問題をクローズせねばならないだけでなく、英国におけるスクリパリ氏の中毒事件も、米国大統領選への干渉も、ロシアがINF全廃条約に違反したというテーマも、すべて過去のものにしなければならなくなる。「ロシアを許す」ということは、西側との和解であり、実質的な再起動を意味することになる。もちろんプーチン氏は、逸脱者の役割を果たすために、G7へ行くわけではない。そしてプーチン氏は、非常に大きな妥協をする必要はない。国際会議の場なら、G20もあるし、BRICSもあるし、上海協力機構もある。
プーチン氏、招待のお返し
ロシア大統領府・クレムリンはすでに、来年5月に行なわれる、第二次世界大戦勝利の記念式典に向けて、世界の首脳らを積極的に招待し始めた。この招待状は、トランプ氏にも、メルケル氏にも、ジョンソン氏にも、そして中国の習近平主席にも送られた。しかしこれはもちろん完全な招待者リストではない。日本の安倍首相も、このリストに名を連ねるはずである。
ロシアは世界に対して、共通の敵であるファシズムに対して一丸となって戦った成功体験を思い出させようと努めている。
ロシア外務省は、トランプ氏が、ロシアの招待に対して熱意をもって反応したと明かしたが、公式的な回答はまだ受け取っていない。
もしかすると、まさにこの露米首脳の相互訪問こそが、露米関係の中枢となるかもしれない。露米双方にとって歩み寄りは益があり、それは実現するかもしれない。