2019年2月のワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、世界最大の金保有国は、米国(8133トン以上)、ドイツ(3369トン以上)、イタリア(2451トン以上)、フランス(2436トン以上)、 中国(1864トン以上)となっている。
近年、トルコ、インド、カザフスタン、エクアドル、カタール、コロンビアも金の積極的な購入を始めている。
しかし、結果的に、金保有量の増加は、金が主要な決済単位の地位を取り戻し、金価格が高騰することにつながる。通貨の下落は債務市場の崩壊を引き起こし、その結果、世界経済全体の崩壊を引き起こす。
専門家によると、中国とロシアの金保有量は世界の金保有量の約18%を占めているという。実際、ロシアは2019年第1四半期だけで金保有量を145.5トン増加させている。2018年同時期比で68%の増加である。
そしてこれは米国債への投資の減少と連動している。2019年6月、ロシアは米国債への投資を10億ドル削減した。2018年を通じてロシアは米国債への投資を大幅に減少させ、米国債保有国トップ33から脱落した。6月の米国債の保有者リストのトップは日本であり、次いで中国とイギリスが続く。
7月末、ロシアのプーチン大統領は、法人だけでなく、個人に対しても、金地金を購入した際に課される20%の付加価値税を廃止する法律に署名した。ロシアではドルに変わる貯蓄手段を作る必要性が生じており、金がそのような手段になる可能性があると法案作成者は考えているのだ。彼らの試算によれば、個人による金需要は、現在の年間3~4トンから50トンに増加する可能性があるという。
どうやら、金に賭けるのが唯一の正解のようだ。思い出してもらいたいのは、ベネズエラで危機の試みがあったとき、イングランド銀行が現職大統領のニコラス・マドゥーロに12億ドル相当の金地金の返還を拒否したことである。ブルームバーグによると、これは、マドゥーロの海外資産へのアクセスをブロックするようにというアメリカの高官からの切なる要請で行われたものである。
ロシアの場合、金はすべてロシア国内に保管されているため、ロシア銀行はこのようなリスクから守られている。しかも、ロシアは中国とオーストラリアに次いで、金の生産量で世界第3位につけているのだ。