K2-18bは、太陽系外惑星の中では地球の質量と大きさが似ており、ハビタブルゾーン(地球と似た生命が存在できる天文学上の領域)にある。しかも今回、その大気中に水が存在することが初めてわかったため、天文学者らは、非常に稀有な惑星と指摘している。
しかし天文学者たちは、地球から遠く離れた惑星の大気中に水が存在するからといって、地球と同じような生活を送るのに適しているとは限らないとくぎを刺している。K2-18bがそのまわりを公転している星は、太陽よりもはるかに小さく温度が低いため、地球上の生命形態には致死的な放射線を発生させている危険性があるからだ。それでも大気中に十分な量の水が存在しているならば、K2-18bの表面は水蒸気の力で極めて有害な紫外線から保護されているとも考えられる。
この地球の遠く離れた「親戚」の大気に関して、学者らは近いうちにも新たなデータが得られるものとふんでいる。
なぜなら、ハッブル宇宙望遠鏡よりも技術的にはるかに進んだジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、再来年2021年にも打ち上げられる予定だからだ。この新しい宇宙望遠鏡を使えば、K2-18bの大気に数種類の気体があるか、その組成がどうなっているかが高精度で測定できる。もし、この惑星の大気中の窒素と酸素の割合や質が地球のそれに近いことがわかれば、K2-18bは、太陽系外で居住できる初めての惑星と認められるだろう。