アレクセイ・キリチェンコ氏が死去 日本研究家で旧ソ連KGBの元大佐

6月22日、ロシアでは「記憶と哀悼の日」とされている。
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25日、アレクセイ・キリチェンコ氏(83)が亡くなった。同氏は歴史家で露日関係の専門家、「露日協会」役員、また旧ソ連KGBの元大佐。長年に渡りキリチェンコ氏はロシア「相互理解」協会を指導。同協会は日本の公的団体とともに旧ソ連における日本の捕虜の問題について研究を行ってきた。

アレクセイ・キリチェンコ氏は1936年にベラルーシで生まれた。1964年にKGBの高等教育機関を終了し、その後、KGBで日本との第一線で勤務した。1980年代に退職し、ロシア科学アカデミー東洋学研究所の研究員となった。キリチェンコ氏は、ロシアに限らず、日本でもたくさんの記事やいくつかのモノグラフを発表している。2013年に日本で同氏のモノグラフ『知られざる日露の二百年』が発表され、それに対し日本の安倍晋三首相から感謝の手紙が送られた。

露日関係に関するキリチェンコ氏の見解は、ぼう大な記録文書がベースとされていることから価値があり、その重要部分は同氏の努力によって秘密が解除された。

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2016年に行われた「産経新聞」の最後のインタビューでキリチェンコ氏は次のように語った。

「私は、日本をソ連の敵国の一つとして研究し始めた。だが、日本の現実を深く知るにつけ、ソ連とその後のロシアが少なからぬ過ちを犯し、それが今日に至るまで両国関係に本質的な影響を与えていることを理解した。むろん、日本も天使にはほど遠かった。将来の悲劇と困難を避けることには意味があると考える」。

アレクセイ・キリチェンコ氏の死は、「草の根」外交とロシアの日本研究にとって補い難い損失だと「露日協会」の追悼文に記された。

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