スペイン最高裁は「フランコ総帥の遺族による遺体掘り起こしに関する全ての訴えを満場一致で棄却した」とプレスリリースで発表した。
フランシスコ・フランコは、スペイン内戦(1936年)における反乱軍の指揮官の一人。内戦勝利後、反乱軍は同国を完全に掌握し、右翼政権を樹立した。この時期は「フランコ体制下のスペイン」として知られている。
「戦没者の谷」は、フランコが自身が建設を命じた慰霊施設。スペインでは2007年以降、戦没者の谷をフランコ政権の犠牲者の記念碑に作り変える試みが幾度も浮上していた。
2018年6月に中道左派のペドロ・サンチェス首相が政権を握って以来、フランコ総統の遺体発掘は首相の重要課題のひとつだったが、フランコ総統の遺族はこれに反対したことにより、法廷での審理が開始された。
審理の結果、最高裁の裁判官らはフランコ総統の遺体を、総統の妻が埋葬されているエルパルド墓地に遺体を移すという政府の計画を支持する判決を下した。
また、最高裁はアルムデナ大聖堂(マドリッド)の地下室にフランコ総統を埋葬するという遺族の提案も棄却した。
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