日本は世界一のエリート諜報クラブの「第6の目」になるのか

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今日、米国が直面している中国の力の増大やロシアの台頭、北朝鮮の核プログラム、イランの行動などの課題は、正確で質の高い情報機関の情報を必要としている。そのため米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国の情報機関の完全な情報交換を主目的とした「ファイブ・アイズ」と呼ばれるプロジェクトの拡大が必要とされている。「ファイブ・アイズ」の加盟国候補の一つはイスラエルかもしれない。イスラエルの伝説的な情報機関「モサド」は、中東各国の広範な情報を所有しているからだ。また、当然、日本もその候補に上がっている。イスラエルが中東情報をカバーするのと同様に、日本は北東アジアで非常に有用な存在となる。これに関する元米国海軍将官で現在は政治アナリストの記事が、ブルームバーグのサイトに掲載された。

カナダの政治評論家でサイバーセキュリティのサイトの創設者であるルドヴィック・レンバート氏は、日本はすでに「ファイブ・アイズ」へ加わったと考えている。レンバート氏は「現在ファイブ・アイズは、世界一のエリート諜報クラブに日本を6番目の正式なメンバーとして迎えるか検討している。日本が中国大陸や南シナ海、北朝鮮に関する情報収集で多大な貢献を果たしたこと、また、この数年来、『5カ国』全ての情報機関が活発に日本と協力したことから、大多数の専門家たちは、日本の加盟はすでに既成事実となっていると考えている。私たちに一番最初に『ようこそ!シックス・アイズ』へと言わせてほしい」と自身の記事の中で述べている。

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またロイター通信は、「ファイブ・アイズ」は、中国と、そしておそらくロシアの対外活動に立脚した脅威に対抗するために、日本とドイツを引き入れる意向だと報じている。

ソ連対外情報庁の元職員で現在は独立系アナリストのユーリー・スベトフ氏は、スプートニクのインタビューに対し、北大西洋条約機構(NATO)の全加盟国29カ国とその同盟国は、もちろん情報機関の情報を交換しているが、しかし、さらに高い信頼レベルがあるのは「ファイブ・アイズ」だけだと語り、次のように続けたー

「西側の同盟国には世界を注視するためにさらに多くの目が必要だ。5カ国のインテリジェンス・コミュニティー間で緊密な協力が始まったのは第2次世界大戦が終結してから約10年後で、その目的はソ連とワルシャワ条約機構の加盟国を監視することだった。今日、日米安保条約、また、アジア太平洋地域への米国の高まる関心、日本から決して米軍基地を撤退させないという声明を考慮した場合、この2カ国のインテリジェンス・コミュニティーはずいぶん前から緊密に協力していると推測するのが論理的だ。

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日本は「ファイブ・アイズ」にとって、まずは中国、ついでに北朝鮮とロシアに関連した機密情報源として関心を持たれている。この観点から考えた場合、優れたインテリジェンス能力と充実した技術装備、また、これらの国々との地理的近さを持つ日本は、極めて価値のあるプレイヤーとなる。安全保障とステータスの向上という観点からみると、日本にとってもこれは魅力的だろう。しかし、大きなマイナス面もある。それは日本はその隣国に関する情報機関の情報を交換する義務が発生するということだ。これは日本にとって重要な、たとえば中国とロシアとの2国間関係を損なうおそれがある」。

「ファイブ・アイズ」が日本とより緊密な協力を目指している間接的な兆候は、2018年10月に日本がはじめて多国間机上演習「シュリーバー・ウォーゲーム」へ招待されたことだ。2001年にはじまったこの「ウォーゲーム」は、主に「ファイブ・アイズ」の加盟国間で開催されている。日本の参加者らの課題は、米国の宇宙通信機器が攻撃された場合に、日本の衛星システムがどのようにして米国を援助できるかをモデル化することだった。         

日本は2019年の「防衛白書」で優先課題として宇宙技術やサイバーセキュリティ、電磁波技術の分野での自国の防衛能力の強化をあげている。これは「ファイブ・アイズ」の優先領域ともほぼ一致している。

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