2年前に人気グループSHINee(シャイニー)のジョンヒョンが自殺。これをきっかけに、プロデュース会社の多くは所属タレントの精神的ケアについて見直しを迫られることとなった。
しかし過密スケジュールの中で、カウンセリングの時間をきっちり設けたとしても、蓄積された問題が解決する保証はない。状況を更に複雑化させているのがSNSの普及、つまり執拗なファンと攻撃的なアンチの存在だ。
ソルリさんは、終わることない中傷や悪意あるコメントに耐えきれず、2014年にグループf(x)(エフエックス)の活動を休止し、その後脱退した。ドラマ撮影とテレビの仕事に集中することにしたが、心の傷は癒えていなかった。韓国のアイドル文化の草分け的存在であるSMエンターテインメントは、また一人、所属タレントの早すぎる死を認めざるを得なかった。
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問題の根源を、心が未成熟な若者を娯楽産業の厳しい競争原理に従わせる、そのシステムそのものに見る者もいる。成功とセクシャリティを放つ業界、しかし若者自身にはその利益を享受する権利は与えられない。
韓国の人気新聞「スポーツ・トゥデイ」ユン・ヘヨン論説員は、このような搾取システムは昔から存在するが、「不具合」が現れだしたのはごく最近のことであり、今回の悲劇の原因はソルリ自身やエージェントではなく、自殺しやすい環境を作っている韓国社会全体に探すべきではないか、と指摘する。
ユン・ヘヨン論説員はまた、メディアはスターが直面する精神的・肉体的困難について、またスターが何らかの薬「漬け」になっていることを、時には不要に情報を拡散させていると述べる。
ユン・ヘヨン氏は、「かなり多くの有名人が、様々な理由で不眠やうつ病に苦しんでいる。しかし倫理チェックもないまま、彼らが“仕事に失敗したので薬を使っている”と告白する様子を放映するケースが見られる」と指摘する。加えて韓国のネット空間は間違いなく負の役割を果たしており、怒りのコメントを加速化させ、さらに増幅させている。ユン・ヘヨン論説員は、このような悲劇が二度と起こらないよう、政府がこの現象に対する効果的かつ合理的な策を練らなければならない、と結んだ。