「完璧な演技をしてもトルソワ選手に勝てるか分からない状況だった」　紀平梨花選手談

トルソワ選手の高い得点に紀平選手も驚いたという。紀平選手は試合後の会見で、完璧な演技をしてもトルソワ選手と優勝争いをするのは難しかった、と語った。また紀平選手はケガに悩まされ、2回転ジャンプでも痛みを感じるという。

紀平選手は、「トルソワ選手の166点（超え）が出た時にはすごくびっくりした。完璧な演技をしても（勝てるか）どうか分からないという状況でやったのは初めての感情。もっと点数が出るような構成に私も変えていきたいと思った」と語り、ケガについては、「超音波を当てたり、時間をかけてほぐしたり冷やしたりしているが、一度でもダブルルッツを跳ぶと痛みが出る。まだ感じがつかめない状況で、少しでも早く治したい。また（ケガが）長引いているのが焦りにつながるので、まずはこれ以上、ケガだけは絶対しないよう、ということも考えつつ、状態がよくなってきたら、ケガなく、効率よくいち早く習得するために、集中した練習を積むために、強い意志をもって毎日練習することが大事かなと思う」と締めくくった。

ロシアのアレクサンドラ・トルソワ選手は試合後の会見で、1本目のジャンプ失敗にそれほど驚かなかったと語った。練習でも1本目で転倒することはあるが、その後すぐに立て直し、残るプログラムをミスなくクリーンに滑ることができているという。

トルソワ選手：「全体として今日の演技に満足している。サルコウがうまくいかなかったので少しがっかりしている。エレメンツとスピンをもっと練習して、次はもっとよい演技になるように頑張る。練習でこのプログラムは何度も通して、1本目のジャンプで転倒することもよくある。練習でも、その後集中して演技を続けることができている」。

トルソワ選手はプログラムに複数の4回転ジャンプを入れているが、3回転アクセルはまだ習得していない。その3回転アクセルこそ、今大会のライバル、紀平選手の最大の武器だ。

トルソワ選手は、「いま、3回転アクセルはかなり成功するようになってきた。ただ、まだクリーンに降りられない。でもよくなってきてはいる」と語った。

トルソワ選手が、ジャンプの転倒がありながら世界最高得点を更新したことを考えると、今後の女子シングルにおける4回転ジャンプは勝つために必須条件となるのは明らかだ。紀平梨花選手も、近い将来に4回転ジャンプをマスターするつもりだ。

紀平選手は4回転ジャンプについて、「昨シーズンが終わり、シーズンオフに練習に入っていた。いい感じに仕上げられると思う。今はケガを完全に治して、早く練習を積めるよう、いち早く習得できるように頑張りたい」と語った。

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GPシリーズは、6大会で構成されている。今シーズンはラスベガスの他、ケロウナ（カナダ、10月25日〜27日）、グルノーブル（フランス、11月1日〜3日）、重慶（中国、11月8〜10日）、モスクワ（ロシア、11月15〜17日）、札幌（日本、11月23日~25日）で開催され、男女シングル、ペア、アイスダンスの成績上位6名（組）が、トリノ（イタリア、12月5日~8日）で開催されるGPファイナルに出場する。

優勝賞金は1万8000ドル。なお2人組で行うペアとアイスダンスは1組で同額。2位は1万3000ドル、3位は9000ドル、4位は3000ドル、5位は2000ドル。GPファイナルの賞金は大幅に高くなり、1位は2万5000ドル、2位は1万8000ドル、3位は1万2000ドル、4位は6000ドル、5位は4000ドル、6位は3000ドル。

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