「スプートニク」は、なぜ日本がこうした問題に直面したのか、経済分野での人員不足をどのように克服しようとしているのか、専門家の意見を聞いた。
経済学博士でモスクワ国立大学経済学部人口学科のイリーナ・カラビヒナ助教授によれば、日本はこれまで外国人労働者の流入により労働力不足の問題に対処してきたが、同時に、他国からのより安価な労働力の流入から国内の労働市場をしっかりと保護してきた。今後、日本政府は、大きく立ち遅れた状況の修正を余儀なくされることとなる。カラビヒナ博士は、「世界は以前からグローバル化と自由化を受け入れているが、日本は外国人労働力の受入れの問題では、これまでまったく自国のルールで対応してきている。同時に、先進国の多くが経済分野で外国人の流入を歓迎しているのに、日本政府は反対にこのプロセスを抑制している。日本の人口は急速に減少しており、そのため政府は状況を改善するため抜本的方策をとることが求められている。出生率の低下や人口の減少という現状では、日本に滞在している外国人のビザを延長するためにある法律を緩和しても、それだけでは間に合わないおそれがある。状況が改善されるのは、外国人が日本に長期滞在する可能性を得た場合に限られる」と強調した。
外国人労働力の流入への日本の需要は、外国人の就職斡旋を専門に行う企業が常に増加傾向にあることよって特徴付けられている。日本政府はこの傾向を軽視することはできず、外国人労働に関する法律の緩和を余儀なくされた。外国人流入のイノベーションは、日本にとって「福島第1原発」のような重要施設にさえ関係する。適切な能力をもった外国人たちは、今後、原発事故のような非常事態での処理要員となる可能性がある。
2019年から外国人は期間5年の日本のビザを受け取ることができるようになった。これは職員不足がとりわけ深刻な産業に外国からの労働力を急速に増加させるためだ。世界経済国際関係研究所(IMEMO)、アジア太平洋調査センターの研究員で、日本政治・経済の研究グループを率いるヴィタリー・シュヴィドコ氏は、なにより農業や建築の分野を強調する。「不熟練労働は魅力が低いことから地域住民の中で重要がない。外国人にとって日本での仕事は、彼らの労働に安定とより高い賃金を保証する。また、日本は長寿国であることから、高齢者介護のため若者や中年層の医療従者を社会がいっそう必要とする。この分野への外国人労働者の投資は、おそらく、高齢者への十分な介護を保障する上で、日本政府にとってもっとも有益で、切実な課題の解決手段となる」。
現在の労働不足は日本の農村部でもっとも顕著に現われている。そこでは熟練労働者たちが大都市に移動してしまうことから、人口と建設プロジェクトが急激に減少している。この問題について「ジャパンタイムズ」紙は、建設経済研究所の研究理事で経済学者、民間分析センターの三浦文敬氏の言葉を引用して報じている。
この文脈で生じている論理的疑問は、なぜ20世紀に日本は自力で経済的奇跡を成し遂げたのに、現在では外国人労働力の補充なしに経済と人口問題が生じるのかということだ。
イリーナ・カラビヒナ博士は、「世界中の労働者階級は地域の農民が発達し、産業の形成と発展、経済成長の基礎となった」と指摘。さらに、「現在、農業分野は最低限の人数が担い、新しい経済変革のため人的資源を惹きつけるところは基本的にどこにも存在しない。多くの国々ではこうした人々が移民となった。ロシアでは、たとえば、経済状況は停滞しているが、しかし、この状況は労働力不足での警告となっており、そのため国の人口政策では移民の増加は肯定的な傾向とみなしている」と強調する。