研究者らが多発性硬化症を抑制する分子を発見

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研究者らが危険な自己免疫疾患である多発性硬化症の発症を抑制する分子を発見した。研究結果が『サイエンス・トランスレイショナル・メディセン』誌に発表された。

「多発性硬化症」とはなにか

多発性硬化症とは、脳と脊髄の神経繊維が影響を受ける慢性自己免疫疾患のこと。多発性硬化症の患者たちは脳の保護膜が軟弱化し、そこに大量のリンパ球(より正確にはB細胞)が蓄積し、脳の神経伝達を阻害する。

病気の初期段階では、疲労感や調整障害、手足の麻痺、視力の低下、不安感、歩行の不安定さ、めまいといった症状が現われる。病気が進行するにつれ麻痺や身体障害が加わるおそれがある。

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いくつかのデータによれば、世界中の多発性硬化症の発症者は約250万人にのぼる。多発性硬化症の発症は20歳から40歳の人が60%超を占める。


多発性硬化症との闘い

モントリオール大学病院研究センターのカナダの研究者らは、米国ペンシルベニア大学の研究者らの協力を得て、ALCAM分子がリンパ球の脳への侵入をコントロールし、これらの脳への流入を止め、その結果、病気の進行を遅らせることを発見した。

研究者らは、「研究によってはじめて私たちは、ALCAM分子は血管を通じてB細胞が脳へ入り込むことをコントロールしていることを解明した」と述べた。また、マウスによる実験ではALCAM分子のブロックにより病気の進行を止めることができたと研究者らは強調する。

サイエンス・トランスレイショナル・メディセン誌では、研究者らの発見は新しい抗硬化症薬の製造と多発性硬化症の新しい治療方法の開発にとって大きな可能性となる指摘する。

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