世界保健機構(WHO)は早歩き、水泳、ランニング、エアロビクスなど、毎日様々な運動を行うことを推奨している。年齢に応じてWHOの推奨は時間や量など負荷が異なっている。研究者らは以前から、このような負荷ががん発生確立にどの程度影響するか解明したいと考えていた。
この問いに答えるため、米国、スウェーデン、オーストラリアの研究者らは過去の調査を分析した。その対象として75万人以上が参加した9つの研究が選ばれた。被験者はそれぞれ自身の身体活動を語り、その話と15種類のがんに関して被験者が診断された頻度を比較した。
その結果、安静状態の7-15倍のカロリーを消費する推奨身体活動は、7つのがん疾病率の低下と統計的に関連があることが分かった。その7つは直腸がん、乳がん、子宮内膜がん(子宮上皮層がん)、腎臓がん、肝臓がん、骨髄腫および非ホジキンリンパ腫であった。運動レベルによってがん発生率は8%から27%の割合で減少していた。
調査分析の対象は主にコーカソイドであり、また全てのがんを網羅しているわけではないなど本研究には制限が多いものの、WHOの推奨する運動負荷はがん予防において重要であると研究者らは結んでいる。