同紙によると、米情報機関はスレイマニ司令官が最近、シリア、イラク、レバノンに駐留するイランの部隊を視察し、多数の人命を奪いかねない「不可避な」攻撃を計画していたらしい事実があるとして、これらの国々の米国大使館、領事館、軍人に脅威を警告していた。ある当局者はニューヨーク・タイムズ紙からの取材に、米大統領府はイランが構想を練っていたとされる攻撃計画について、確たる情報は入手していなかったことと明かしている。
さらに同紙によると、国防総省の高官らはスレイマニ司令官殺害をトランプ大統領に提案していたが、あくまでも殺害は「最後の手段」とみなしており、トランプ氏がそれを決断するかについては、疑問視していた。この急進的手段を支持していた中にはマイク・ポンペオ国務長官とマイク・ペンス副大統領がいたと言われている。
2日、トランプ氏は「最後の手段」を選んだが、国防総省の高官らはこの決定に「呆然とした」という。
先に、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、ガーセム・スレイマニ司令官の死に対して米国に報復すると約束した。
トランプ大統領は、イランが攻撃した場合、米国は前例のない攻撃を行うだろうとツイートした。
ソレイマニ司令官の死亡
特殊部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官は2日夜、イラクの首都バグダッドの空港で米国の空爆によって殺害された。ソレイマニ司令官と共にイラクのイスラム教シーア派組織「人民動員隊(Hashed al- Shaabi)」の司令官数人も死亡した。
米国防総省は、バグダッドの空港への攻撃はトランプ米大統領の承認を得ていたと発表した。米国はソレイマニ司令官について、在イラク米大使館やイラクにある有志連合の基地への襲撃に関与していたと考えている。
イランのザリフ外相は、ソレイマニ司令官殺害は「国際テロ行為だ」と指摘した。